ポジティブサプライズの連続で熱い夏が来る!

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この先景気はどうなるか。そして求人は?

HRmics 編集長の海老原嗣生氏による景気診断をお送りします。※2011/07/14の記事です。

なんと、省エネ節電で利益押し上げ?

ポジティブサプライズの連続で熱い夏が来る!

仲の良い証券マンと2ヶ月に一回ほど情報交換する場を設けている。

直近では7月初旬にも彼と会ってよもやま話をしたのだが、何とも面白い情報を聞かせてくれた。いわく、9月末の半期決算は、サプライズの連続だろう、とのこと。それもほとんどが「ポジティブ」系のものばかりという。

その勢いを駆って、「ひょっとすると年末までに日経平均は1万3,000円を超える」という超大胆な予想を聞かせてくれた。聞けば彼、7月の定期異動で支店を離れ、これからしばらくは本店で「難しい仕事をする」とのこと。ははぁ、小うるさい個人顧客から離れたから、根拠の薄い大胆な夢物語も語れるようになったのか、とこちらがからかうと、半分笑いながらも、「この予想、相当あたると思うよ」と真剣な目をして語る。

では、どんなポジティブ要素があるというのか?

ひとつは新興国の通貨切り上げペースが上がっている。これにより国内的にはインフレがやや薄らいだ。ここまでは当たり前なのだが、さらに、自国通貨高により購買力を増した富裕層が、海外製品の購入意欲を高めている、という。そこに持ってきて、東日本震災による日本製品の供給減。そのため、自動車メーカーを中心に日本企業への海外からのバックオーダーが積み上がっているとのこと。その逆バネが働きそうだ、これが一つ目の話。

二つ目は、もう言わずもがなだが、震災被害を相当大きめに織り込んだその反動。正常軌道に戻るのが11月と発表していたトヨタ自動車が、7月には量的には震災前水準の生産まで戻り、同様に、9月に現状回復と言われた半導体のルネサスエレクトロニクスは、6月に復旧。こうした「日本の底力」が、マイナスを織り込みすぎた株価に対して、サプライズを起こす、という話。

この2つは、経済や企業動向に詳しい人なら想定内の話だろうが、次の話が面白い。なんと、今夏の省エネを三つ目のサプライズ要因に挙げているのだ。電力供給不足による大規模停電を防ぐために、「大規模事業者は前年比15%の節電を義務付ける」電力制限令が7月1日から発動された。いやがおうでも省エネをせざるを得ない状況ではあるが、この発動前の6月最終週に、もう東京では日中の最高気温は35度を超える日が2日もあった。耐え忍ぶことには定評のある日本国民だけに、省エネにせっせと励み、結果、東京電力管内の使用電力は、4,400万kw程度に収まった。これは昨夏の最大使用量と比較すると、なんと28%も少ない!そう、制限令も出ていない状況でこれなのだ。7月以降の本格対応で、輪番制やサマータイム制などが開始されたら、前年比30%を越える削減量になる可能性は高い。

さて、これがなぜ、サプライズ決算要因となるのか?

解説すると納得してしまう。法人企業統計を見ると、日本の製造業の売上高営業利益率は1.5%程度。一方、製品原価に占める電力料金は、平均で2%弱(売上比だと1.5%強)。この電力料金が30%削減されると、製造原価は売上比0.45%下がることになる。15%の省エネでも0.23%下がる。この「省エネによる費用削減」が利益に上乗せされると、なんと売上利益率は、1.95%、もしくは1.73%へと上昇。一件小さな数字だが、前年の利益率が1.5%だとすると、15~30%のアップとなる。そう、大幅な増益要因なのだ。

確かに、原発廃止で電力料金が上がることに対して、経団連をはじめとした産業界側は「ありがたくない」という反応を示していた。電気代がかさめば、利益率が下がる、という話だ。その逆で、省エネで電気代が下がれば、利益率は上がる。いつもながら、困るときは大きな声で、嬉しい時は小さな声で、という話なのだろう。

ともあれ、この三つ目の要因もけっこうバカにならないサプライズをもたらすことになる可能性が高そうだ。

中小→派遣→大手といういつもの求人回復の流れ

さて、こんな証券マンの話を聞きながら、人材ビジネスの状況を照らし合わせて考えてみると、まさにその通り、というような話が感じられてもいた。

そのひとつが、昨今の人材需要の変化。

3月の震災で求人が止まり、4月はそのまま。5月からようやく量的に回復し始めたが、その中身の主流は、西日本・中小企業・そして派遣など。人が足りないけれど、通常期だと大手の影に隠れてなかなか採用できないような地方・中小企業が求人回復をリードし、続いて、大手がまだ「自社採用は控える」が、それでも人手が足りないために、「特定派遣などの活用で急場をしのぐ」、そこで派遣求人が増える。

こうした流れの中で、いよいよ大手企業の求人が6月以降復活を始めている。ちなみに、リクルートエージェントでの4~6月の転職決定者数は前年比1割程度増えた。6月自体は前年比トントンではあったのだが、これは特殊要因がマイナスに寄与したせいでもある。震災で大手企業の新卒採用が2ヶ月後倒しとなり、6月は中途に本腰を入れられなかったのだ。そんな状況でも、前年比トントンというのは、実質、相当な上昇を示した、と考えられるだろう。

大手が新卒採用を終える今後の採用状況を予測するために、先行指標を見てみると、7月1日現在の面接設定数は前年同月比較で見ると、今年最高の値を示している。

震災落ち込みへの逆バネなのか、それとも新興国の購買力アップか、はたまた省エネでの利益拡大のためか。いずれにしろ、人材需要は堅調といえるだろう。

急カーブの連続となるが、運転技術は万全

世界的にみると、アメリカの雇用増がややペースを落としたが、こちらは、多分に東日本大震災の影響があったと想定される。アメリカでも、自動車産業を中心に、一時的に生産・販売が滞ったため、求人も停滞してしまった。やはりこの面でも夏以降、反動増が見込めそうだ。

そのほかの景気に影響する大きなイベントを挙げておくと、以下の通りとなる。

  • ・7月一杯 日本 福島原発の収束、予定通り7月中に第一段階をクリアできるか
  • ・8/2 アメリカ この日までに赤字国債発行額の上限を上げられるか
  • ・8/24 日本 公債特例法案の議決。今年度の予算執行のカギとなる

これらのイベントを波乱なく乗り越えられると、証券マンのいうとおり、「実りの秋」がやってきそうだ。

この連載では、昨年後半以来、「11年後半には景気は下降期に入り、求人需要も次第に停滞」と書いてきた。それが、前回の景気報告で、「震災により下降は後倒しに」と修正。今回は、「現在(11年7月)も堅調」と、またまたプラス方向に予想変更することになる。何となく「不況が来る」といい続ける「来る来る詐欺」のように思われてしまいそうだが、冒頭に登場した証券マンに再度登場願えば、「それでも来年中盤には確実に景気は下降に」と彼も言う。ひとつには震災復興のための増税が始まること。そして、もうひとつは、金融緩和の一環で日銀が株価を下支え(株価が下がった時、日銀がETFを大量購入する)し続けてきた施策が来年6月を持って終了すること。

リーマンショックという未曾有の経済危機への対策で、各国政府と中央銀行がジャブジャブ市場に資金を放出する金融緩和により、人為的に作ったバブル相場だった今回の景気は、いずれにしろ、早晩収束していくことは間違いない。その結末が、これまた未曾有の自然災害である東日本大震災の影響で、ずいぶん後倒しとはなったが、それでもこれから1年弱でその最後尾に行き着く可能性が高い。

こんな「短い夏」には、企業の採用競争が過熱しがちだ。景気と人材ニーズを両にらみして採用計画を立てるなら、早い段階で力を入れた採用活動を行い、過熱感が高まった当たりでは、そろそろブレーキを踏み始める。そんな「運転技術」が必要だろう。

ともあれ、07年の長期好景気、08年のリーマンショック、10年のギリシャショック、そして今年の東日本大震災。100年に一度と形容されるような突発事項がここ数年に集約され、それをすべて乗り越えてきた人事・経営の皆様だけに、これから1年の荒波にも、十二分に対応していけるのではないだろうか。

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