契約社員の雇用-4つのチェックポイント

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雇用前、雇入れ時、契約更新時、契約終了時、これだけはチェックしておこう。

リクルートエージェントが2008年10月に創刊したのが人事専門誌『HRmics』(年3回、4月・8月・12月発行)です。発行の翌月に、誌面では紹介しきれなかった情報をライブでお伝えするHRmicsレビューを社内で開催しています。前回に引き続き、5月13日に行われたレビューの模様を、HRmics副編集長の荻野が報告します。講演者は、編集長の海老原嗣生です。※2010/06/10の記事です。

有期雇用コンプライアンスの徹底を

何度も取り上げてきた通り、1985年の制定以来、はじめての規制強化となる派遣法改正案が国会で論議されている。「上に政策あれば、下に対策あり」といわれる中国ほどではないが、何らかの規制が強まれば、別の何かが逃げ道としてクローズアップされるのはこの国でも同じだ。

この場合の逃げ道とは……そう、有期雇用である。派遣社員の活用が禁止された分野は有期雇用者で代替すればよい。その場合、派遣社員に代わるものといえば、アルバイトやパートよりも、フルタイムで働く契約社員ということになるだろう。

海老原は、派遣の仕組みと、改正案も含めた派遣法の変遷を辿りつつ、

  • ・日本における有期雇用規制は上限が3年といった雇用契約期間に関するものが中心であること
  • ・有期雇用者の解雇、つまり雇止めに関しては、契約満了=円満退職とならない場合があり、注意が必要なこと
  • ・有期雇用に関する規制ルールの創設が政府内で検討されていること

などを述べる。ここまでは5月配信のバックナンバーで私が書いた通りであり、本メルマガの読者にはお馴染みだろう。

では、有期雇用者を活用する場合、企業はどんなことに留意すべきなのか。海老原が提示したのが下記の図表である。

海老原:「雇用前、雇入れ時、契約更新時、契約終了時、以上4つの場面で行うべきチェックポイントをまとめてみました」

図表/有期雇用活動時、これだけはやっておこう

4つのフェーズにおける注意事項

雇用前の採用計画の立案時に行うべきなのが、臨時的な仕事を担当してもらうのか、それとも常時発生している仕事を担当してもらうのか、という判断である。

臨時的な仕事である場合は必要ないが、常時ある仕事の場合、「その仕事だけを担当してもらう」「配置替えはなく、その職場のみで働いてもらう」「同様の仕事を担当する正社員に比べて、責任が軽く、残業もない」といった、「これは正社員を雇うほどではないな」と客観的に判断できる、しかるべき理由を用意しておくと、万一、雇止めなどの件で訴訟になった場合、有利になる。

契約の上限年数(現行法では原則3年)と更新の上限回数(現行法では規定なし)も決めておくと安心だ。

さて、雇入れ時には、働く本人に、契約更新の有無をしっかり明示しておくことが必要である。更新がある場合は、そのための判断基準―契約満了時の仕事量、本人の成績や態度、能力、自社の経営状況、担当する仕事の進捗状況など(2003年厚生労働大臣告示)―を明確化しておくべきだという。

契約更新時にトラブルにならないためには、「来年もよろしくね」といった継続を期待させるような軽はずみな言動を慎む必要がある。もちろん、他の社員にも周知させておくべきだろう。更新手続きは本人としっかり協議した上で進める必要があるのはいうまでもない。

契約終了(=雇止め)時には、その30日前までに本人に告知する必要がある。更新の可能性があることを告げたにも関わらず、更新しない場合はその理由を説明しなければならない。そのためにも、雇入れ時に、更新の有無を決める判断基準を明確化しておく必要がある。

海老原:「時々、びっくりするのは、有期雇用社員を雇止めする直前または直後に、正規・非正規問わず、採用広告を使って同じ職種の募集をかける企業があることです。当の有期雇用社員がその事実を知ったら納得できないでしょうし、マスコミにリークされたら、大企業ほどバッシングされる可能性があるので、控えるか、もしくは知人紹介による採用か転職エージェントを使い、水面下で活動されることをお勧めします」

仕事の性質と雇用形態とは

続いて、海老原が提示したのが下記の図表である。派遣社員、パート社員、契約社員、正社員と、雇用が多様化する中で、企業が何を基準に、雇用形態を決定すればよいか、を判別するためのフロー図である。

図表/今後の「雇用のあり方」判別フロー

任せる仕事が臨時的なものの場合、間接雇用の派遣か、もしくは直接雇用のアルバイトを選択することになる。 臨時的な仕事ではない場合、パートタイム勤務で対応可能か、を判断する。

臨時的な仕事ではなく、パートタイムで対応可能ではない場合、次に問うべきは、熟練や仕事の継承が不要かどうか、ということである。不要の場合は更新回数に上限をつけた契約社員で対応できる。

熟練や仕事の継承が必要だが、職域や地域限定という前提でもいい場合は、一般職正社員で対応すればよい。最近復活しつつある、総合商社における事務系の一般社員が、これにあたる。

「仕事が臨時的である」「パートタイム勤務で対応できる」「熟練や仕事の継承が不要」「職域・地域限定で働ける」、以上4つの基準に対して、すべてNOがつく仕事につく人が総合職の正社員としてふさわしいということになる。

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