最新の転職者アンケートデータから採用を考える！　その3

転職活動のきっかけを知って、候補者の入社動機を高める

リクルートエージェントでは、転職を実現したビジネスパーソンに、転職活動全般にわたるその時々の意識や行動の決め手となった事項を調査する「転職世論調査」を行っています。その最新の調査を元にした採用ノウハウを、採用に成功した企業の事例を交えてお届けする企画。今回はその第3回です。

※「第六回転職世論調査」
実施期間：2006年5/25（木）～5/30（火）まで
対　　象：リクルートエージェントの登録者で、何らかの手段で転職を実現した方3990名（うち回答者1708名*回答率42.8%）
調査方式：Webを使ったアンケート

景気回復期になぜか増えている転職理由、「会社の将来に不安」

転職活動をはじめた理由はなんですか？（複数回答）※上位4回答

転職先を選ぶ際、最も優先したことはなんですか？※上位5回答

今回のアンケートで最も意外だったのが「会社の将来に不安を感じ」転職活動を始める人の多さです。20代から40代までのすべての年齢層で40%を越え、26～40歳では40%後半を示す高い数字になりました。逆にリストラや会社の倒産が転職活動のきっかけとなった人は7.8%。まさに転ばぬ先の杖なのか、転職者が会社を冷静に見て転職活動をはじめている様子が伺えました。

さて、応募者が転職活動をはじめた理由が分かれば、その理由を解消できる要素を会社が提供することが動機付けに繋がります。これによって企業は採用効果を上げることができます。では実際「会社の将来に不安を感じている」応募者に、企業はどんな情報を提供するのが効果的なのでしょうか？

その前に考えておかなければいけないことは、「会社の将来に不安」には具体的にはどんなことがあるのか、です。『優れた商品や技術を生み出す力』『市場の中での会社の成長性』など全社的な業績についてはもちろん、『年齢・経験と共に収入が必ずしも上がらない』『定年まで勤められないかもしれない』といった個人の不安まで考慮しなければならないのではないか、ということが私たちの結論です。

◎例えば会社の成長性を伝える
「○カ年計画で売上○○円を目指す」では説得力がありません。自社の商品・サービスがどんなところで使われ、さらにどんな分野にも応用できるのか。その技術は同業他社とどんな差別化があるのかなど、応募者が会社の成長路線をイメージできるよう、分かりやすい情報を提供することが大切です。

◎年功序列のない完全な成果主義なら
年齢による固定給の目安を伝え、それに加えて支給される成果給を説明します。この場合、大切なのが評価制度を明確にすることです。平均的な社員30歳、35歳の収入例、また、評価された事例など具体的に説明すると不安解消につながります。

◎離職率が高いなら
応募者には「いつも求人している会社は辞める人も多いから？」といったイメージもあるようです。面接をはじめる前などに、あらためて募集背景を説明すると安心材料になります。例えば「多くの退職者が出たのは○年前に改革のためのリストラを行ったから」など、事実を伝えることも大切です。

これらの情報提供は、殆ど面接場面で伝えることができる内容です。そしてポイントは「自分が転職するとしたらどんなことを知りたいか」。それを踏まえ企業秘密に触れる内容でなければ、できるだけ詳細な情報を提供しましょう。採用に成功している企業は、このような不安払拭材料を求人票に書いたり、あるいは求人票と一緒に渡すレポートにまとめ、応募者との初回接触段階から利用しています。

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