雇用形態別マネジメントと今後の人材ポートフォリオ

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派遣や有期雇用の法制が変わりゆく中で、人材ポートフォリオの見直しが急務となっています。

リクルートエージェントが2008年10月に創刊したのが人事専門誌『HRmics』(年3回、4月・8月・12月発行)です。発行の翌月に、誌面では紹介しきれなかった情報をライブでお伝えするHRmicsレビューを社内で開催しています。5月13日に行われたレビューの模様を、HRmics副編集長の荻野が報告する最終回。講演者は、編集長の海老原嗣生です。※2010/06/17の記事です。

法改正をきっかけによく考えてみよう

任すべき仕事の内容が、「臨時的か」「パートタイム勤務で対応できるか」「熟練や仕事の継承が不要か」「職域・地域限定で働けるものか」、以上4つの基準に照らすと、派遣、パート・アルバイト、期間の上限つき契約社員、一般職正社員のうち、どんな雇用形態の人がふさわしいかかが決まる。これは前回のレポートでお伝えした通りである。

では、こうした雇用形態別のマネジメントを行う際、どんなことに留意すべきだろうか。

図表/雇用形態別の注意ポイント

海老原:「まず派遣の場合ですが、担当してもらう仕事が臨時的なものであることを明確にしておくべきです。特に専門26種以外の、いわゆる自由化業務の場合、法律で最長3年までしか派遣を受け入れることができません。これは派遣された“人”ではなく、“事業所”ごとの基準であることに注意する必要があります。しかも派遣法が改正されれば派遣が適用できる業務領域がぐっと狭まります。なぜこの仕事を派遣に担ってもらうのか、という理由を社内でしっかりとつめておく必要があります」

パート・アルバイトに関しては、パートタイム労働法を遵守することが基本である。なおこの法律におけるパート社員とは正社員よりも週の所定労働時間が短い人で、アルバイトも含まれる。

海老原:「待遇の事前取り決め、同じ仕事をしている正社員との均衡待遇、労働条件に関する説明責任、条件と実態に関する苦情の受け入れ、正社員への転換機会の提供が五本柱となります」

リクルートCV社員の例

期間の上限つき契約社員に関しては、(1)業務設計(長期間の習熟期間が必要な業務や企業の価値を体現し、それを継承するような業務につかせない)、(2)働く意義の付与(期限付きの就労でも、チャレンジしがいのある要素を用意する)、(3)出口施策(期限の周知徹底と転職支援を行う)に注意を払うべきだという。

海老原:「参考になるのが、契約期間が1年ごとで、最長で3年まで勤務できる、リクルートのCV社員制度です。任される仕事は、未経験でも十分こなせる、飲食店情報が掲載された無料クーポン誌の広告営業などです。査定による昇給はもちろん、退職金もあり、転職エージェントにも登録した上で最後の3ヶ月は転職活動に従事することが許されています。まさに上の3つの点がクリアされており、その点は理想的な制度です」

一方で、一般職正社員の場合は、(1)制度設計(昇給、教育、育児休暇など、長期勤務を前提とした人事制度)、(2)モチベーションの維持(職能の認定、総合職への登用、社内資格の付与など)、(3)業際問題(非正規社員や総合職との軋轢を防ぐための業務の切り分けなど)に特に配慮する必要がある。

事務職を例にした人材ポートフォリオ

この一般職正社員の代表が事務職である。総合商社は2000年ごろに、一般事務職の正社員制度を軒並み廃止し、派遣や嘱託、あるいは上限付き契約社員に切り替えたが、最近になり、再度、事務系一般職の正社員制度を各社が復活させている。

そういう選択をとった総合商社はともかく、ほとんどの企業における事務業務は、派遣と契約社員、それに正社員の3者が担っているのが現状だが、どんな場合に派遣を使い、どんな場合だったら契約社員、あるいは正社員を使うのか、確固たる切り分けの論理を備えている企業は実は少数派ではないだろうか。

そこで海老原はこんな提案を行った。図表をご覧いただきたい。

図表/今後の事務職のポートフォリオ

海老原:「派遣は繁忙期限定で、担当も単純定型業務に限るのを原則とし、人物や能力を見て、よさそうな人は契約社員または社員への登用も行うようにしましょう。人が足りないからという理由で、基準を下げて既存の派遣社員の中から採用するのは長い目で見て得策とはいえません」

問題は期間の上限つき契約社員、一般職正社員、それと総合職正社員となるが、同じ「社員」といっても、人物・志向、能力という面で見ると、それぞれに求められるものは三者三様だ。

海老原:「図表の人物・志向という項目を見て下さい。契約社員から一般職、そして総合職と地位が上がるに従って、仕事の勤怠、仲間への配慮といった、目の前の仕事をこなすために必要な特性から、社の風土に合致しているか、企業理念を理解しているか、そして、キャリアの拡大志向や自分の地位に対する上昇志向があるか、といったように、その人に求められるものが変わってきます。能力に関してもしかりです」

仕事内容を、(1)臨時的か、(2)熟練や継承が不要か、(3)職域・地域限定社員で可能か、という3軸で判断し、それに応じて活用する社員の雇用形態を決める。実際の人物を採用する場合は、人物・志向と能力の2軸で、評価内容を変えながら、選んでいく。

この考え方は事務職だけではなく、他の職種にも応用が可能だ。派遣、そして有期雇用に関する法制が大きな曲がり角を迎えた今、人材ポートフォリオの見直しが急務となっている。今回の内容がそのための一助となれば幸いである。

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