能力主義と成果主義、コンピテンシーの真実〈1〉

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日本流の能力主義と米国流の職務主義の違いについて説明します。

前回に引き続き、リクルートエージェントが昨年10月に創刊した人事専門誌『HRmics』が去る2月9日に開催した読者向けイベント、「HRmicsレビュー」の模様をお伝えします。
今回から、同誌編集長、海老原嗣生による「人事制度設計上のポイント再整理」という内容を2回に分けてご紹介します。※2009/03/12の記事です。

HRmics編集部
■同誌 編集長プロフィール
※海老原 嗣生(えびはら・つぐお)
(株)ニッチモ 代表取締役 HRmics編集長
(株)リクルートエージェント ソーシャルエグゼクティブ
(株)リクルートワークス研究所 特別編集委員
人材育成学会理事

1964年生まれ。大手メーカーを経て、リクルートエイブリック(現リクルートエージェント)入社。事業企画や新規事業立上げに携わった後、リクルートワークス研究所へ出向、「WORKS」編集長に。2003年よりリクルートエイブリック(現リクルートエージェント)にて数々の新規事業企画と推進、人事制度設計等に携わる。専門は、人材マネジメント、経営マネジメント論など。


能力主義、成果主義、そしてコンピテンシー。日本企業の人事処遇制度はこの3つのキーワードを真ん中にして、ここ10数年、揺れに揺れたといっても過言ではないだろう。第一部の中村圭介・東京大学社会科学研究所教授の話を受けて登壇した海老原は3つのキーワードの意味を改めて振り返った。

まずは日本流の能力主義と米国流の職務主義の違いについて、語学スクールを舞台にした、分かりやすい喩えで説明した。

海老原「英語しか話せない講師、英独ふたつ話せる講師、二人の講師がいたとします。どちらの講師の評価が高くて、より多い給料が貰えるでしょうか」。

能力主義の考えをとれば後者だが、職務主義ではどちらも同じになる。能力の幅の広さが処遇に結びつくのが能力主義だが、「一講義当たりの給料(=職務給)×講義時間」で処遇するのが職務主義。英語しか出来ない教師も3カ国語話せる教師も、英語の授業をする限り、同じ給与となるからだ。
能力主義と職務主義の違いが顕著に現れるのが異動時である。日本企業では異動で仕事の難易度・市場価値が変わっても、それだけでは給料は上がらないが、アメリカ企業の場合、難易度・市場価値に応じて変動する。

海老原「日本企業と違って、アメリカ企業では社内異動がスムーズに行かないのはこのせいなのです。営業から企画に異動したら大幅昇給、逆に内勤移動だと大幅ダウン、だったら、異動なんか誰もしませんよね? 分かりやすくいうと、職務給は職人的に同じ仕事の階段を上るブルーカラーのもので、ジェネラリストには適用が難しい。そもそもホワイトカラーは職務定義自体が困難という問題もあります。社長の職務をきちんと定義することは至難の技でしょう?」

コンピテンシー=“魔法の杖”の登場

この職務主義、能力主義、それぞれメリット、デメリットがある。アメリカの職務主義のメリットは、①公平かつ客観的な評価が可能、②職務内容が明瞭、③管理監督が容易、といった点、デメリットは、①職務が固定的、②自分の仕事以外は管轄外だと頬かむりする、③能力で給与差が無いから能力蓄積が進まない、といった点だ。1980年代初頭、これらのデメリットに悩まされジャパン・アズ・No1を横目に見ながら、アメリカ企業で職務主義は大きく退潮した。

一方の日本の能力主義は、①職務が柔軟である、②他人が困っていれば協力する、③能力の蓄積が進む、といったメリットがある一方、①能力概念が曖昧、②評価基準が不明確、といったデメリットがある。しかも能力基準は、企業のステージや事業変更に伴い日々更新しなければならないのに、日本企業は更新を怠り、勤続年数が増えるごとに機械的に給与も増えていく年功序列的な運用に陥ってしまった。その結果、年齢とともに給与は単純増加し、決して下がりはしない、いわゆる「下方硬直性」が起きたのである。

職務主義・能力主義の崩壊

この下方硬直性を取り除く“魔法の杖”、それがコンピテンシーだった、というのが海老原の見解だ。

それを説明するには、コンピテンシーの正体を見極める必要がある。

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