企業グローバル化の方程式(後編)

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日本本社・日本人社員のグローバル化

前回から3回に分けて、去る1月25日に東京で行われた第8回レビューの概要をお届けしています。今回は、HRmics編集長・海老原嗣生氏によるPart1の「企業グローバル化の方程式(後編)」をお送りします(以下、同誌副編集長 荻野さんにレポートいただきます)。※2011/02/17の記事です。

日本語能力と日本文化の理解は必須

経営のグローバル化には2つの側面がある。一つは前回で説明した海外現地への進出であり、もう一つがこれから述べる日本国内におけるグローバル化だ。後者は具体的にいうと、外国人の採用と日本人社員の育成という2つの施策に分かれる。

最初に、採用について見ていこう。

このところ、日本人新卒の採用は減らしてでも、現地を含め、外国人学生の採用を増やす企業が軒並み増えてきた。以前は、外国人学生採用といえば、日本に来ている留学生をターゲットにする企業が過半だったが、最近は現地に赴き、日本語もおぼつかないような学生を採用する企業も出始めている。

こうした風潮に対して、海老原は「まったくの日本語知らずの人を採用し、辛酸をなめた企業が過去たくさんある。それを考えると採用は日本語堪能者に限るとするのが本当は望ましいが、あえてそこまでハードルを高くしない場合、綿密な、日本語および日本文化教育を施す必要がある」と釘を刺す。

この点で参考になるのが新日鉄ソリューションズのやり方だ。同社もエンジニア職を中心に、中国人学生の採用を熱心に進めているが、日本語力が低い学生に内定を出す場合、入社までに1年間の日本語学習機会を与えている。そのうち、半年間は中国で日本語学校に通ってもらい、残りの半年は日本本社での実務を通じ、日本語を教育している。

外国人学生は高級スパイス

一方、いくら日本語が堪能でも、その人の価値観と企業風土が適合していなかったら、早期の離職が予想される。それを防ぐために、海老原は、長期のインターンシップや大学への寄附講座などで、めぼしい学生に早くから接触し、「うちに合うかどうか」を確認するやり方を勧める。

採用数についてはどうか。

海老原:「新卒採用全体の1割程度がよいだろう。それ以下だと、後述するスパイス効果が働かない。逆にそれ以上だと、質の低下が懸念され、教育コストも多大になる。結局、外国人学生は日本人社員への刺激剤、いわば高級スパイスとして考えるべきだ。つまり、ハングリー精神にあふれ、目的意識が強く頭脳も超優秀という、日本人学生に欠けている部分を多く備えている彼らを一緒に採用することで、日本人が刺激され、負けるものか、と覚醒し、互いに切磋琢磨していく。そういう効果を狙うべきだ」。

採用数1割を上回ってよい業種とは?

ところが、販売サービス業などで、新卒総数の3~4割もの数の外国人学生を採用する企業もある。国内に加え、最近は「一風堂」などのラーメン店をニューヨークやシンガポールに展開している「力の源カンパニー」がそうだ。

前回で述べたように、製造業の場合、事業規模が大きいので、圧倒的多数の日本人が現地の工場などに赴任し、現地採用の若手人材を徹底的に教育して自社のDNAを植えつけるというやり方を取ることができる。現地の人材が成長していくに従い、日本人社員は日本に戻り、ポジションを現地の人に委譲していくのだ。

ところが、ラーメン店が典型的だが、販売サービス業では事業規模が製造業と比べて小さいため、多くの日本人社員を送り込むことは現実的に不可能だ。さらに、飲食業の場合、現地の文化や習慣を無視して日本でのやり方を押し付けることはできず、いわば両者のすり合わせが必要なため、主力となるべきはやはり現地人ということになる。

そこで、日本国内で現地の人材を採用して育成し、その過程でDNAをきっちり伝承させるというやり方が考えられる。一人前に育ったら、現地に帰参させ、日本人トップと現地人材との間で管理業務と後進の指導にあたってもらうのだ。このやり方を取る場合、新卒総数の3~4割という数を確保する必要がある。

図表:グローバル採用を本国新卒の3~4割も採用する理由

企業はグローバル人材をどう育成すべきか

次は日本人社員の育成について考えていく。

早稲田大学の白木三秀教授が中心となって、日本企業の海外赴任者のミッション達成度に影響を及ぼす要因は何か、を調べた調査がある。それによると、マネジメント能力やリーダシップといった能力要因の他に、達成度に絶対的ともいうべき強い影響を及ぼしている要因があった。何かというと、ずばり通算海外勤務年数であった。つまり、海外勤務の経験が長いほど、海外で成功する確率が高まるという至極まっとうな理屈が数字で実証されたのだ。

海老原:「この結果から明らかなのは、鉄は熱いうちに打て、ということだ。20代前半から、何らかの形で、海外経験を積ませる必要がある。住友金属鉱山やクボタは、語学習得を目的に、入社1年目の新人全員を英語圏に派遣しているが、理にかなったやり方だ」。

やはり語学力、特に英語力は必須なのか。

海老原:「答えはYesでもあり、またNoでもある。海外勤務の可能性がある若手の場合、20代後半までに、TOEICの基準点は設けておくべきだろう。ただ、それは600点程度の緩い目標でいい。なぜかというと語学力は赴任時に挽回できるからだ。それよりも大切なのは異文化許容力と職務能力である」。

結局、企業はグローバル人材をどう育成すべきか。

海老原:「グローバル人材といっても、特定の2、3カ国に強い地域密着人材なのか、専門分野に特化したスペシャリティ人材なのか、本社や部の意向を現地に伝える情報伝達人材なのか、育成目標となる人材像を明確にしておくべきだ」

図表:日本人社員のグローバル化

次回は、RGF HR Agent China 総経理舘康人氏によるPart2「中国の人材市場」をまとめた内容をお送りします。

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