経済展望と人材採用 vol.3-夜明け前の寒さが少ない今回不況

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景気の流れの中で人材採用はどうなっていくかを解説します。

今回は、「経済展望と人材採用」の第3回(第1回はこちら第2回はこちら)。HRmics編集長/海老原がレポートします。※2009/06/25の記事です。

景気回復と株価・採用市場の関係

景気サイクルと人材需要については、簡単にパターン分析することは危険、と最初に述べておきたい。まずは、過去のトレンドをざっとおさらいしておこう。

  1. 1、バブル崩壊後の回復期。この時は、Ci値が底打ちした93年12月から日経平均も有効求人倍率も2年半も遅れた95年の中盤に底打ちをし、そこから回復に向かっている。
  2. 2、金融不況からの回復期。こちらは、日経平均はCi値とほぼ同じ98年12月に底打ちするが、有効求人倍率は半年ほど遅れて翌年半ばからの回復となっている。
  3. 3、ITバブルからの回復期。今度は有効求人倍率がCi値と1か月遅れで回復を見せたが、日経平均が1年以上遅れて、03年4月まで低迷。

景気動向指数(Ci)と日経平均株価、有効求人倍率の関係

経験則から言えるのは、有効求人倍率・日経平均ともに上昇に転ずると、急激に採用市場が盛り上がりだす。しかし、日経平均・有効求人倍率とCiとの間には、上記のように時代によって異なるタイムラグが発生している。このタイムラグが、今回はどう起きるか、を考えないと、採用市場動向は読めないだろう。 そこでまず、タイムラグが起きる原因を、2つの要素に集約して説明してみたい。

Ⅰ.直前の景気サイクルの影響。 直前の不況が短いか、好景気が長いと、経営者・投資家とも「好景気慣れ」しているため、「またすぐ業績が良くなる」と考えがちで、株価は反発をしやすい(=タイムラグが少ない)⇒②の日経平均 逆に、直前の好景気が短いか、直前の不況が長いと、「不況慣れ」しているため、少し景況が改善したくらいでは、株価は回復しない。⇒③の日経平均 Ⅱ.過剰設備・過剰雇用との関係。 過剰感が強い時は、これが改善されない限り、株価も雇用も回復しない。⇒①の日経平均・有効求人倍率 ②の有効求人倍率。

過剰設備・過剰雇用との関係

経営者と投資家の心理を人肌で解説

過剰設備・過剰雇用があると、株価が上がらない理由を、02年~03年の状況を踏まえて話してくれたのが総合商社キーマンだ。

「確かに企業業績は02年3月期で底を打ちましたが、それは営業利益に限ってのことなのですね。業績的に回復を始めても、債務・設備・雇用、3つの過剰を抱えていた多くの企業は、その処理のために時間とお金を費やすことになります。過剰設備の除却損、負債圧縮に伴う一時的な借入金利の上昇、そしてリストラに伴う過給金支払い。こうしたコストにより、営業利益が上昇しても経常利益はそこそこ、最終損益は悪化、という企業が多かった。これでは設備投資や人員採用に本腰など入れられない。こうした事情が、02~03年の株価や採用意欲の停滞を生んだと思っています。」

確かに、03年1月の政府によるりそな銀行への強制資金投入を持って不良債権処理が週末を迎え、貸し渋りも収束し、4月に失業率は底打ちする。ちなみに、失業率は通常、Ci値よりも6か月程度遅行するものだが、この時に限っては、何と15か月の遅行だった。

今回は、タイムラグ無く採用市場が回復に向かう

ここまでの法則を当てはめて考えると、今回は①直前好景気が長く、経営者は「好況慣れ」している。②設備・雇用とも過剰感は少ない。最悪だった今年3月時点でも、過剰雇用DIは全体平均で20程度。バブル崩壊期やITバブル崩壊期より10程度低い。
ということで、景気回復と採用市場の盛り上がりは、タイムラグ無く起きる可能性が高い。
実際、日経平均は3月12日の7000円すれすれを境に大きく反転し、現在9000円台を維持し続けている。タイムラグ無し、どころかフライング状態だ。

ただここで心配になるのは、景気の先折れだ。最近とみに耳にするのが、「景気対策が息切れする来年前半には景気も再下降」という声・・・。
キーマン4名はかなり強気に「心配無用」と話してくれた。

「日経平均の上昇は、景気対策だけではないのです。途上国需要が勢いを増している。それも景気対策を打った中国だけではなく、インドやマレーシアなどが頑張っている。これは、金融の揺らぎや大型景気対策で、先進国の通貨が下落し、途上国の通貨が相対的に強くなった為でしょう。」(自動車メーカーキーマン)

「政府のバラマキはうまく出来てますよ。減税・定額給付はすぐに使われる金。一方、公共事業は計画に半年かかり、執行には1年かかる。つまり、来年前半まで持ちます。さらに、使いきれなかったお金が5兆円弱も基金化して残っている。こちらは来年後半まで持つ。さらに、来年も補正予算を組むでしょう。補正を無くすのは、オバマでさえ、次回大統領選のころ、と言ってますから。」(総合商社キーマン)

「経営は、最低最悪のシナリオで10年度業績予測をはじいている。為替は1ドル90円、原油価格は1バレル70ドル。こんなところから前半期、利益が上振れするでしょうが、財布のヒモが固くなった経営は、出費を惜しむ。そこで、設備投資は進まず、賞与も上がらない。この反動で、期末決算を〆たときに利益増大。期末直前の駆け込み投資と、来夏賞与の上昇などが伴って、来年4~6月期の回復に初速がつくのではないか。」(家電キーマン)

ここまでの予想が当たるなら、人材ビジネス業界の人に対して冷たい風が吹くのはあと1年。逆に、人手不足企業が「採用天国」を謳歌出来るのもあと1年。

見えてきた潮目に向かって、どう進むべきか、梅雨空のもと、机に向かって頭を悩ませてみるのも一興ではないか。

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