2013年入社組の大学の新卒採用のスケジュールをそろそろ立てる時期がきました。
今年は、文部科学省や経済団体の指針により、採用広報が12月以降へ後ろ倒しとなったので、いつもよりスタートは遅くなります。その分、じっくり戦略を練っておくことが必要そう。そこで、今回は2回にわたり新卒採用を考えるテーマでお送りいたします。レポートは、こういうニッチデータならお任せのHRmics編集長/海老原嗣生氏がお送りします。※2011/10/06の記事です。
「わが社の採用に関して、学歴は全く関係ありません」。大手の人気企業がこうした内容のコメントを発することは少なくないのだが、本当にそれは事実だろうか? 感覚値でいえば、もちろん「そんなはずない」という気がするし、実際、役員名簿などを見ても、明らかに、東大・京大・一橋・早稲田・慶応などのブランド大学出身者が多数顔を並べている。
とすると「学歴は関係ない」という言葉は単なるおためごかしの類なのか?
しかし、あながち全部がウソともいえないところがある。なぜなら、世の中に数ある大学のホームページを見れば、そこに「卒業生の進路」として、超大手人気企業がけっこうな数、並んでいたりもするからだ。ただ、こちらについては、「何年も前に1人入社しただけなのではないか」とも疑いを抱いてしまったりもする。
しかし、いずれにしても確たる証拠がないので、どちらの話も真偽のほどが確かめられなかった。この水掛け論状態に対して、本当のところはどうなのか、に肉薄する調査を以下、進めてみた。
まず、企業は採用実績大学を実数で発表しているケースが非常に少ない。この方法で人気ランキング上位100社を調べると刃こぼれの多いデータとなり、とても調査と呼べるシロモノにはならない。
そこで次の方法として、大学側が発表している就職先企業一覧から、該当企業を探す、という方法で調べることにした。ただし、こちらも多くの大学はまともに公開をしていない。ほとんどの大学は、実績年や採用数を入れず、見栄えのよい企業名を並べるだけ、というここでも誇大表示にいそしんでいるのだ。やたらに高い就職率(既述の通り、ほとんど虚偽まがい)を大きく書いて「就職に強い」と謳っているわりに、就職先には実績企業名のみの曖昧表示。こんな表記はまず疑ってかかる方がよいだろう。
さて、そんな中でも詳細まで就職先を掲載している勇気と自信に満ちた大学がいくつかあった。関東では「早稲田」「慶應」「上智」「明治」「青山学院」の5大学、関西では「同志社」「関西学院」の2大学。いずれも東西を代表するブランド大学ばかりなのだが、この7大学からの人気ランキング100位以内の企業への就職実績をもとに、人気企業への就職を考えて行きたい。
このデータを集計して、採用傾向を以下見ていこう。
まず、人気上位100社への就職数を見ると、早稲田・慶應の2校が他を圧倒的に引き離しており、その後に同志社、明治、上智と続く。ただ、大学ごとに学生総数が異なるので、どの大学が「入りやすいか」「採用されやすいか」は、この順番とはいえないだろう。
そこで、学生数を考慮して、「卒業生1000人当たり」「就職者1000人当たり(院進学を考慮できる)」何人が人気上位100位企業に入っているか、という形で2つのグラフにしたのが、図表2となる。こちらでは、トップは慶應、次に学生数が少ない上智が早稲田より上となり、さらにだいぶ差を詰めて同志社が早稲田に迫る。この4校で、人気企業上位100社への就職率が2割(就職者ベース)を超えるが、続く青山は13.7%、明治12.5%、関学9.8%で、上位4校とはやや水を開けられた感がある。
ただし、ここには一般職や地域限定職、職務限定職など、非総合職も含まれている。総合職に絞った場合の就職率はいかがなものになるか。男女別の総合職就職率(男性93%、女性53%)を用いて、男女学生比をもとに推計したのが図表3となる。
あくまでも推計値ではあるが、これで見ると就職者ベースでは慶應→早稲田→上智の順、卒業生ベースでは、慶応→上智→早稲田の順となる。
ここまでを整理しておこう。
ちなみに、人気上位200社に対象を増やすと、採用数はこの1.6倍程度に増える。としても、ここに入れる人は、早慶上智クラスで半数程度。総合職に絞るなら、3~4割といったところとなる。就職の前に、人気企業の狭き門という現実をよく知っておくことが必要だろう。
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