6月の景気予測では「不況の主役の交代」をいち早く唱えたHRmics編集長/海老原が、今回もレポートします。※2009/09/17の記事です。
45歳になる人生で2度目の政権交代を目の当たりにした翌日に、台風の暴風の中、この原稿を書いている。不定期ながら大体3か月に一回程度お送りする景況と採用の動向が今回と次回のテーマとなる。
言いっぱなしの一般評論家よりも良心的である、という姿勢を示すために、まずは前回6月の予測を以下に振り返っておきたい。
結果はどうだったろうか?
鉱工業生産指数は本日発表になった7月分まで、4か月連続上昇。その数字も6月は前月比で史上最高の伸びを記録、発射台の高くなった7月さえ、大方予想の1.4%増加をさらに上回る1.9%の伸びと、順調に回復を見せている。
一方で、小売業売上高は2か月連続減少、デフレ率は-1.9%と、消費回復は程遠い。決して好ましい景況とは言えないが、ひとまずは予想通りの展開と自負している。
このトレンドを惑わす雑音に関して最初に触れておきたい。
「過去最高の失業率、有効求人倍率も0.42と過去最低を記録」。このニュースから、求人回復はまだまだ先という気持ちになりがちだが、ご注意いただきたい。失業率は景気よりも半年程度遅行する。つまり、今猛烈に上がっているのは、今年1~2月の景況を反映しているだけのこと。有効求人倍率の低下は、分母になる求職者(=失業者)の増加が原因であり、分子になる有効求人数は若干ながら回復しつつある。これから当分は、失業の増加と求人の増加が綱引きをする展開となるだろうが、分子の有効求人数だけに注目すれば、すでに底入れしているのだ。
「全求協が出す有料求人広告件数も、7月に若干の回復を見せたが、まだまだ底打ちとは言い切れない状況じゃないか」。という反論も受けそうだが、こちらも景況と若干遅行する指標だと念頭に置いておいてほしい。求人広告を掲載するには広告費が必要となる。広告費を捻出できるのは、それなりのキャッシュフローの改善の後となるため、若干遅行するのだ。
ハローワークデータの有効求人数がいち早く5月から改善しているのは、「無料求人」なので、遅行が少ないためといえる。同様に、求人申込時点では費用無料の「リクルートエージェント」の有効求人数も、今年4月を底に実数でも前年比でもアップトレンドに入っている。こんなトレンドの中で、遅行指標が起こすいたずらには、あまり神経を尖らせない方がよいだろう。
では、6月の予想通りに「まだら模様」ながら景気はすでに最悪期は脱しているのだろうか。これについては、いくつかの想定外の事象をあげておきたい。
上記のマイナス要因が重なると7~9月期は0成長、10~12月期も同様、または最悪の場合はマイナス成長もあるのではないか。後だしとなることが恐縮だが、もう一つ大きな「想定外」要因がある。それが金融政策なのだ。
過去には91年と00年の2回にわたり日本で不況のきっかけを作った金融政策について、今回はアメリカが失敗をしそうだ、というレポートを次回はお送りしたい。
●採用成功ナビの2つの特長
最適な採用手法をご提案!
様々な企業が自社に合う
人材の採用に成功している
豊富な採用実績!
多岐にわたる採用事例から
自社に似たケースが探せる
すぐに採用を始めたい方も。まずは相談してみたい方も。
ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。
中途採用情報メルマガ(無料)を定期的にお届けします。
貴社の事業成長に少しでもお役に立てられれば幸いです。