建設・不動産業界-まだら模様から「明日への芽」が生まれた

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建設・不動産業界でも市場は完全に底離れし、新たな兆しが見えつつあります。

前回のレポートでは、意外にも内需産業で求人活況とのこと。それでもまだ、納得感は得られなかった人向けに、今回は建設・不動産業界の状況をレポートします。なんと、ここでも市場は完全に底離れし、新たな芽も生まれつつあるとのこと。HRmics編集長の海老原嗣生氏がレポートいたします。※2011/08/18の記事です。

ついに動き出した不動産流通大手

建設・不動産業界-まだら模様から「明日への芽」が生まれた

不動産業界も雪解けを感じさせる昨今だ。この業界、裾野が広いため、不況期といえどもそれなりに積極採用を続ける企業を見つけることができる。たとえば、リフォーム産業や橋梁補修事業、やや遠隔地での住宅メーカーなどは不況に強い典型的な産業といえただろう。ただ、そうした業界の企業全体が足並みをそろえてというわけではなく、特殊技術を持っているとか、用地仕入れが成功したなどあくまでも「勝ち組」に限られた採用のため、こうした人材需要は広がりに乏しいきらいがあった。

これが、景気の底這い期になると、低価格で用地仕入れができるために、デベロッパーや一部ゼネコンなどの上流系企業の採用へと移行する。そして、景気が底を離れはじめる時期になると、ようやく川下の「売買」や「賃貸」業で求人が拡大を始める。これが一般的な動きといえるだろう。

2011年夏は、川下にあたる「不動産流通系」で、一番動きの遅い大手企業で求人が動き出した。本格底離れの号砲が鳴らされた、といったところなのだ。

大手冠系の不動産流通業では、全国展開する支店網(一部FCあり)に対して、その各店で必要な営業スタッフを、本社が一括選考・採用するという形で求人が進められるケースが多い。その採用基準は、各社ごとの経営方針や採用理念があるために、同業同規模で見てもかなり異なっている。たとえば、不動産業界での営業経験者のみをターゲットにした少数精鋭採用を展開しているA社。給与はインセンティブ部分が小さく、固定給比率が高いために、安定的な収入を得られる設定となっている。こうした安定・高収入という売りがあれば、業界で実績を上げてはいるが、そろそろ浮き沈みの少ない生活を望むような経験者の応募が多数見込める。一方、営業経験者なら不動産業界は未経験でもOKという緩いスペック設定をしているのが、B社。こちらはインセンティブ比率が高いハイリスク・ハイリターンな給与制度を謳っている。この制度なら、(売上が少なければ給与も低くなるために)未経験者のチャレンジ採用が積極的に行える。一方で、業界で実績を上げて、今の給与に飽き足りないような猛者も、ハイリターン目的でやはり応募してくるために、採用ができるだろう。こうした多彩かつアグレッシブな組織を作るには、この型の給与制度が向いているということだ。

日本(ジャパン)サイクルは外資を跳ね除けた

昨年後半以来、土地の値下がりにより仕入れが楽になった大手デベロッパーが、求人を始めていたが、その動きはより分かり易いものになってきた。大手デベロッパーは、自社の強い地域ごとに再開発を進めているからだ。一例をあげると、日本橋になると三井不動産、丸の内であれば三菱地所、八重洲は東京建物、そして渋谷なら東急グループといった感じになるだろう。ただ、こうした開発はやはり国内大手資本系列に絞られ、リーマンショック前のような外資系の直接的な投資案件は見かけない。

理由は半年前のこのコーナーで既報した通りなのだが、日本の再開発サイクルに対して、外資系は近寄り難さを感じていることにある。詳しく説明すると、近年、ビル空室率が高まる日本ではあるが、近・新・大型物件はいつでも満杯状態という無視できない事実がある。そこで、古・小物件をつぶし、再開発をすることが常態的に進む。それも、少し前であれば、古・小物件がターゲットだったが、好立地のこうした物件は整理が終わってしまったために最近ではやや古・中型の物件においても再開発が進んでいる。こんな「作ってはまた再開発する」というサイクルだと、収益還元率があまり高くはならない。そこで、外資系はこうした物件に対して、直接投資することにためらいを感じているのだ。そこまでは既報の通りだが、昨年と今年で異なるのは、確かに今でも「直接投資・直接開発」を行う外資系は少ないが、国内大手デベロッパーが組成したファンド(J-REITなど)に対して大口出資者として名乗りを上げる外資系は増えていることだ。日本の不動産価格が底入れ反転に向かっていることや、日銀によるREIT買い支え策などが功を奏し、こうしたJ-REITは着実に値を上げている。そんな状況を見て、「ハイリターンではないが、安定的に収益を上げることが可能」と踏んだ外資が、余剰資金の安定投資先として、J-REITに回帰してきているのだ。こうした外資の支援により、資金的に余裕ができた国内大手が開発を進める、という好循環になり、さらに再開発は進む。結局、ビル物件の短期間でのリニューアルという不動産におけるジャパンサイクルは、一向に衰えることがない。そして、大規模な再開発が完成した暁には、設備管理のためのビルマネジメント要員が大量に必要となる。そこで、こうしたスタッフの採用~育成期間を考えると、少し早めに求人を出す必要がある。そこで、現在、採用が熱を帯びている。

高専賃という少子高齢化時代の模範解答

その他、時事的な要因はどうだろうか?

まず、大手ゼネコンでは、東日本大震災からの復興関連が真っ先に頭に思い浮かぶのだが、こちらが大掛かりな求人に結びつくのは、最低でも本格復興のための「第三次補正予算」が成立することが条件であり、順当に考えるならそれらが執行に至る秋口くらいからが、本番となるだろう。つまり、今はまだ、暗中模索状態というところ。一方では、昨今、新聞などをにぎわせている話として、道路・上下水道・発送電などの社会基盤(インフラ)ビジネスでの、海外展開があげられるが、こちらも、言われるほど明確な動きは見えない。理由の一つに、ヒモ付のODAが減ったことなどが上げられ、そもそも海外勢を相手に入札に勝ち残るような技術力・政治力の欠如といった問題も指摘されている。こうした大手ゼネコンでは、技術士資格を有する建設コンサルタントなどの超難スペック求人が一部動いている程度といえるだろう。

時事的・社会的要請として、今盛り上がっているのは、高齢化需要を見込んだ新たな賃貸ビジネス「高専賃(高齢者専用賃貸マンション)」が上げられる。簡単にいえば、高齢者が自立でき、しかも介護なども比較的容易に融通できるあらたな「賃貸ワンルームマンション」のことを指す。高齢者向けの住サービスは、支払額が高いものから順にホテル⇒シニアレジデンス⇒介護付き有料老人ホーム⇒特別養護老人ホームなどが上げられるが、特別養護老人ホームは値段がリーズナブルだが、施設数が著しく不足しているという問題がある。残りの介護付き有料老人ホームより上は、使用料が高額のため、事実上、普通の所得では入所が困難。そのため、行く先が不安だった高齢者に対して、ちょうどよいサービスとして注目を浴びているのが高専賃といえる。マンションの棟内や、近場の自社開発マンションに通所型リハビリステーションを設け、介護や給食、医療などは、老人ホーム運営企業や宅配弁当、医療機関と連携してセットでサービスを提供しているため、一通りの自立支援が可能となる。そのうえ、こうした物件の建設には、国からの補助が出るため、賃貸料自体もリーズナブルに抑えられている。こうしたメリットがあるため、爆発的に業績を伸ばしているのだ。物件不足のため開発も急がれ、用地取得や資金参加企業募集のための営業スタッフの拡充が喫緊の課題となっている。こうした高齢者向けビジネスが発展し、そこで、若年層への労働需要が巻き起こる。結果、社会全体で見ると、高齢者から若年層への富の移転が進むことになる。そして、国や自治体も負担は少なく、あくまでも民間ビジネス主体で、高齢者のケアが浸透して行く。少子高齢化という不安要素に悩まされる日本において、一つの模範解答ともいえる事業が、ここに示されているのではないだろうか。

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