流通・サービス業界-人材活用の壁が崩れ、人物本位の採用が始まった

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常時、人材不足に悩んでいた飲食・サービス業で、人材確保に向けた新たな動きが出ているようです。

参院選でも自民党が圧勝。アベノミクス効果が世間にも認められつつある昨今です。景況関連の数字を見ても、景気動向指数は昨年11月を底とし、直近の6月まで7ヶ月連続上昇、1~3月のGDP速報値も、年率3%を超える大幅な成長を示しています。今まさに、本格的に景気がよくなり始める直前なのでしょう。しかし、景気上昇は嬉しいことばかりではありません。人事の皆さんがこれから頭を悩ませることになるのが、求人の増加による採用難。今回は、そのヒントになるような話をお届けいたします。レポートは、HRmics編集長の海老原嗣生です。※2013/08/08の記事です。

それは、2年前に始まっていた

半年ぶりに流通・サービス業界の人材需要をレポートするが、それにしてもこの領域の変化は著しい。毎度のことながら驚かされるばかりだ。

今回の新たな驚きは、「飲食・サービス業出身者のキャリアが広がっている」ということにつきる。2年ほど前に、フラッシュマーケティングの勃興期のレポートで、すでにこの話には触れた。店舗の空席や通販の在庫などをリセールするために開発された、このeコマース商法(=フラッシュマーケティング)は、飲食・サービス企業に広く売り込みをかけるのを常とする。当然、この仕事には相手先の業界をよく知る人間が必要となる。そこで、元飲食店勤務、元サービス業勤務者に白羽の矢が立ったというのだ。

この採用はかなりうまく行ったといえるだろう。当時は、飲食・サービス業を卒業してホワイトカラー職に転職しようと思っても、未経験ではなかなか採用されはしなかった。そこで、こうした脱・飲食サービス業の希望者が願いをかなえられず、行き場を失っていたのだ。

ここにフラッシュマーケティングが求人をかけたわけだから、応募者は多数集まる。そこから厳選して、営業ポテンシャルが高く、飲食サービスでの実績も高い優秀層が獲得できた。結果、売り込みをかける業種にピッタリの営業担当を布陣することができたのだ。

彼らは、元いた業界のことをよく知るだけでなく、そもそもが接客サービスに慣れているため、営業になっても顧客との会話を苦にしない。しかも相手のハートをつかむのがうまい。さらに、飲食・サービス業界は、待機時間も含めると長時間拘束が普通で、そのうえ、フト休暇制というなかなか厳しい労働条件にも耐えてきた。

そう、ちょっとやそっとでは音もあげないので、営業になってもよい成績を上げていく。そうしてキャリアを磨いたあと、今度は「営業経験者」としてさらにステップアップ転職をする人も現れた。こうして「業界の壁」が崩れ出した、というのが2年前の話。

飲食サービス業出身者が続々とホワイトカラーに

この流れが、昨今さらに加速しているといえるだろう。

たとえば、コンビニエンスチェーンのスーパーバイザー(SV)などにも、飲食・サービス業経験者を採用するケースが増えている。食材に詳しく、しかも、店舗運営で仕入れや帳簿付けをしていたことから、個別商品の流れや売上動向を読むのがうまい。担当店舗にてバックヤードの整理や棚卸などの作業も、もちろん全く苦にならない。年収自体、未経験だと400万円程度から始まるケースが多いのがコンビ二のSV職だが、それとて、前の飲食業時の収入と比べれば見劣りしない。だから、モチベーションを維持しながら、非常によい業績を上げていくのだ。

一方、ショッピングモールのテナント管理の仕事にも、飲食・サービス業出身者が採用され始めている。こちらも職種名称は「営業」となる。

この仕事、運営先モールのテナントに赴き、業績状況をヒアリングしてコンサルティングする、といえば聞こえがよいが、現実は一筋縄ではいかない。各店長と仲よくなりながら、うまく話を聞いていかなければ、相手も情報を出してくれないのだ。店舗の素人が話をしても、ラチがあかないだろう。そこで、同業経験のある飲食・サービス業出身者にやはり日が当たることになる。

さらには、学習塾・進学教室の教室長というポストにも、飲食・サービス業出身者が増えてきた。塾というと勉強を教える人、というイメージがあるが、それは講師の役割。対して、教室長は生徒や保護者と対応し、日々の連絡や出欠管理、学習状況の共有などを行う。

世の中には、子供の相手がうまい社会人は少なく、また、我が子の教育というと、ついつい力が入り過ぎる保護者が多いので、そうした大人への対応も、接客慣れしている飲食・サービス業者はうまい。だから、ここでも脚光を浴び出している。

たった数年の間に、ずいぶん変わってきたものだとつくづく思う。その裏には、伸び盛りの産業では、いつだって人手不足だった、という事情があるのだろう。

かつては中途採用というと、新卒のように業界未経験者をいちから育てるよりも、即戦力の経験者を採用しよう、という気持ちが強かった。ただ、転職率の低い日本社会だと、大手の人気企業や、高給・好条件の求人でもない限り、そんなピッタリな人材は見つかりにくい。そんなことで人材確保が進まないと、せっかくの業績伸長期に乗り遅れてしまう。

そこで、前職や学歴などの表面上のスペックにこだわらず、もっと人間の本質を見て、即活用できる、という要素を重視してターゲットをひろげるべきではないか、と考え、人材市場を見渡すと、転職先に困っている飲食・サービス経験者が多数いる。彼らはもちろん今いる業界に詳しく、何より対人折衝を苦としない。そこで、彼らに白羽の矢が立つ・・・・・・。それがこの2年間の変化といえるだろう。

人物本位の採用は広がる

実は、飲食・サービス業同様、転職が難しいといわれた35歳以上の人材でも、最近、転職エージェントを通して次の仕事を見つける人が増えてきた。コンビニエンスチェーンの店舗開発職などでも、40代求職者を多数受け入れている。

確かに、そういう人は何かしらの不動産関連職に就いていたケースが多いが、なかには事業者金融や住宅メーカーの営業職といった畑違いの未経験採用者も含まれている。高額な取引を、粘り強く交渉して成立させるためには、前職で培った胆力が生きてくるのだろう。ここでも「前職」や「学歴」といった形ではなく、「中身」での採用が進んでいるようだ。

こうした業界移動や高年齢転職の場合、やはりそれほど高収入は望めないのが難点ではある。ただし、そこを譲歩すれば、それなりに自分を活かす仕事は見つかる。いや、見つけられる時代が始まり出したと言えるのだろう。これは、日本社会にとってよい変化ではないだろうか。

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