電気・電子・機械メーカー業界-本格復活の夏!輸出産業の採用攻勢に熱気

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日本経済の大黒柱でもある、電気・電子・機械系の大手メーカーの動きを探ってみました。

株と経済指標は好調だけど、庶民には景気回復の実感がない、とも言われる昨今です。確かに、円安の影響で、ファストフードなどでは値上げが目立ち、なんか、生活をする上ではあまりいいことなんかないのでは・・・・・・と思ってしまいそうですね。人材需要に目を向ければ、どうなのか。レポートは、HRmics編集長の海老原嗣生です。※2013/08/22の記事です。

敵失での勝利から、本格支持に変わったアベノミクス

少し話題は古くなるが、7月の参院選挙で自民党は歴史的な大勝利を収めた。昨年12月の衆院選でも獲得議席数的には大勝利と呼べるレベルの成果を収めていたが、内容的には少々異なる。なぜなら、衆院選では総得票数はそれほど伸びず、大敗だった2009年の総選挙よりも比例得票数は220万票も下回り、得票率でさえ、0.9ポイントのマイナスだったのだ。

つまり、政党支持という意味での比例得票は伸びず、小選挙区では、民主党政権への批判票が膨れたのだが、それを、野党は、みんなの党、維新の会、生活、緑の風で取り合う中で、当選ラインが下がり、自民党が一人勝ちした。つまり、敵失による部分が多かったといえるだろう。

対して、7月の参院選は、前回2010年のそこそこ勝てた選挙よりも、比例で440万票(得票率は+10.6%)、選挙区でも320万票も増やしている。投票率が5%以上も下がる中で、これだけ得票を増やしたのだ。これは、明らかに「圧勝」といえるだろう。

さて、この原動力は、といえば、もうそろそろ、「民主党政権への批判票」とはいえない時期でもある。ひとえに、経済・景気動向の順調さに裏打ちされた結果と言ってよいのではないだろうか。

試みにGDP数値を見ると、3四半期連続で年率換算2%を超える高成長を示し、景気動向指数も昨年12月から一本調子で上がり続けている。何より、アベノミクスによる金融緩和効果で昨年同時期よりも20%以上の円安となり、輸出作業を中心に好決算も続いた。そのため、昨年度の上場企業の営業利益は3割も伸び、今年はそれ以上の伸びが予測されているという。

そう、つまりは、景気回復の足取りが日増しに力強さを増しているということだろう。こうした流れを、当連載の中でも、「混迷景気を読む」の回ですでに予想してきた。そして、その流れで、輸出産業を中心とした求人増加が始まるとも書いている。

さて、景気は確実に回復しつつある中、求人、とりわけ輸出産業の人材ニーズはどうなってきたのだろうか。

自動車業界は求人でも復活の先導役

まず、予想通りに、自動車産業からの求人が伸びている。これには、円安効果がまずは挙げられるが、それだけではないようだ。まず、円高期に国内拠点の整理や、投資・開発に対して、分野の絞込みが行われ、結果、重要性が乏しいとみなされた領域での、リストラや採用ストップが行われていた。こうした抑制に対しての反動が挙げられる。

それだけでなく、リーマン・ショック後、ヨーロッパ諸国が動揺したために欧州戦略が立てられなかったことや、インドなどを主体にした新興国での格安車開発が騒がれ、当面、市場がどうなるか見極められなかった。そのために、製造計画、採用計画などを相当堅実に読まざるを得なかったという事情もある。

こうした不確定要素が収まり、ようやく市場が落ち着きを取り戻した昨年後半あたりから、次の中期世界戦略を立てる動きが始まり、その流れの中で今、人員確保に力が入り出したという側面がある。

今回の求人増では、力点が今までと少し異なっていることも特筆すべき点だろう。既述のとおり、昨年までの人材絞り込み期においては、社内的に人材が手薄な分野、かつ市場がどうあれ、確実に次世代自動車の基幹となりうるべき分野、すなわち、電池や素材などの求人が目立っていた。

これら分野での採用が一段落し、代わって、現在は安全制御系の需要が増えている。次世代の基幹需要が充足したら、今度は、より現在に近い線で、製品の差別化できる点で人材を拡充するということだろう。

インドや中国の低価格車ではできない「付加価値」という意味で、安全制御系は腕の見せ所と言える。まさに、今という時代を表している人材戦略といえそうだ。

それも、その開発分野が、やはり車の先進国でしか手がけられないような、高度かつ繊細な技術領域となっている。

安全制御といえば、従来は、エアバックやシートベルトなど、事故がおきたときに、それにどう対処するか、がポイントだったものだ(これを、パッシブ・セイフティという)。対して、事故自体を起きないように開発を進めるのが、現在の流行。つまり、予測制御や回避が新たな重点分野となっている(こちらをアクティブ・セイフティという)。結果、安全確保でも、以前は機械・機構系や素材・化学系の求人だったものが、現在は、光学系や認知・認識分野、IT通信・制御系などの求人が増えてきた。自動車は、機械の塊から、多分野の技術の塊へと昇華していく真っ只中にあるのだろう。

世界戦略人材のターゲットは、意外にも日本人

もちろん、こうした大手機械メーカーでは、いつでも、電気・電子・機械といった主流分野の人材を受け入れ続けている。ただし、不況期は自動車産業内での経験者の採用にとどまっていたものが、最近では、若年者であれば家電や半導体業界などからも人を採用し始めた。こうした点でも、ニーズの盛り上がりが見て取れそうだ。

一方で、各メーカーとも本格的な世界戦略を打ち出しているだけに、グローバル人材の採用も相変わらず続いている。ただし、その対象としては、「日本人」に重点が移っている。海外事業慣れした日本人を中途採用する方向だ。

もちろん、そんなグローバルな日本人となると、なかなか候補者が集まらない。そこで、採用基準をいくつかのパターンで緩和しながら、人材確保をかなえているのだ。その典型的なパターンをいかに紹介していこう。

まず、英語に強く海外経験豊富な即戦力の30代。前述のとおり、候補者は極端に少ない。そこで、職務範囲は微妙にずれていても目をつむって採用するケース。彼らは、すぐに海外に出て現地で外国人相手に対応が可能ではあるが、職務内容的には経験分野と齟齬が生まれる。技術者だと専門違いは命取りだが、比較的汎用性が高い内勤系(たとえば海外人事や国際経理)などでも、分野が違うと難渋するケースは多い。

たとえば、人事では、工場労務や現地作業員採用などを経験していないとつとまらないのだが、メーカー以外の出身者にはそうした経験がない。同様に、経理などでも、工業簿記がしっかり理解でき、仕入・加工・在庫などのバランスがわかる人ではないと難しい。やはり、これもメーカー出身者に限られる。

というわけで、異分野OKといっても、採用は、やはりメーカー出身者に絞られる、狭い採用となっているのが、このパターンだ。

続いて、もう少し候補者を広げるために、若手にスポットを当てるという方向がある。この場合、英語力に力をおき、異業種・異業界はまったくOKとして、ただし、職務だけは何らかの形で、採用部署に近いことを経験している、くらいにまで、採用基準を緩和している。

たとえば、海外人事ならば、若くて英語に堪能で、何かしらの人事経験がある、という人を採用して、いるケースが目にとまる。メーカー特有の人事タスクについてはもちろんわからないことも多いが、若年者だけに、入社後に学ばせればよい、としているのだ。この「何かしらの○●経験」と英語、という若手ターゲットの求人が、現在かなり多くなっている。これからのグローバル人材採用の定番となるかもしれない。

複写機、空調、半導体も本格反攻開始

自動車以外では、複写機・光学機器の求人が増えている。こちらも、リストラの一巡で人材に枯渇感がでていることが大きい。もうひとつは、攻めの戦略で、今の技術を利用して、他分野にて事業拡大するために、新たな戦力を拡充するという採用となる。長らく、光学メーカーは、その視覚的技術を利用して、医療機器業界への参入が続いていた。そこに、最近では、前で触れた自動車の安全制御系への事業進出などが加わっている。そのほかにも、インクジェットの射出技術を応用した、業務用特殊印刷や3D加工などへの応用も進む。円安で既存製品での利益に厚みが増す今こそ、軸足を広げるチャンスと考えているのだろう。

面白いところでは、空調と半導体でも、久しぶりに求人が伸びてきた。空調分野の好調さは、省エネ技術に尽きる。差別化が難しいこの製品ではその省エネ技術が重要であり、とりわけ、東日本大震災での電力供給減を経験した日本メーカーはこの技術に秀でている。アジア、欧州が省エネ奨励を進め、北米でもそれが始まった昨今、日本メーカーの技術力に注目が集まっている。そこで、こうしたメーカーの世界戦略に伴う増員が花盛りとなっているのだ。

半導体は例の如くシリコンサイクルに乗ったものだが、異色なのは、不況期にリストラを行わなかった企業の求人ニーズの高まりだ。技術継承ができていることと、必要人員がそろっていることで、増産期の対応も万全。ならば、もう人材採用の必要はないはずだが、彼らもまた、現在必要人員がそろっている分、新領域に向かって攻めの経営をはじめている。そこで、人材採用が行われるのだ。

たとえば、いよいよ利用が本格的になるクラウドコンピューティングの需要を先取りして、その基幹インフラである大規模データセンター向け機器の開発に照準を合わせる半導体企業などが出ている。こうした企業では、通信インフラ系企業や大手Web検索エンジンの企画担当などを採用するといった、異色の求人が目にとまる。毎度のごとくシリコンサイクルのなすがままに増減人を繰り返した企業とは、明らかに差がついているといえるだろう。


日本メーカーは死んだ、明日はない、とさんざん喧しく騒がれた中で、じっと耐えてきた輸出産業が復活を始めている。読んでもらえれば、数年間の苦境期に苦しんだ要因をバネに、そこで蓄えた力で外の世界に打って出る、というケースが多いことに気づくだろう。

途上国の低価格戦略に攻められた末の、日本にしかできない高付加価値技術、原発停止の電力不足への対処で磨いた省エネ技術、シリコンサイクルでの安易なリストラに異を唱えたからこそできた本格的なクラウド機器への投資。

すべて、苦しんだからこそ、今がある。たとえアベノミクスが潰えても、日本メーカーの底力は不滅だ、と思いたくなるような復活劇といえるだろう。

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