IT業界-SIerからネットベンチャーへの流れ

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コツコツ目の前の仕事をこなすというIT業界の風土に、変化が起き始めています。

この半年、IT企業が総じて採用数を削減していた中で、新進ネットベンチャーが大量採用をしているケースが目立っています。こうしたネットベンチャーは、コツコツ型ビジネスの典型だったIT業界のスキルセットにも大きな影響を与えているようです。SEやITコンサルタントに新たなキャリアが拓け始めたのでしょうか?真相をHRmics編集長の海老原がレポートします。※2010/09/30の記事です。

コツコツ型人材の聖域だったIT業界

IT業界の人材ニーズに変化が生まれてきたようだ。

私見で恐縮だが、IT業界は、実直で縁の下の力持ちタイプのコツコツ型の人間が、力を発揮しやすいという特色があったと思う。総合商社や流通、マスコミなどに代表されるように、とかく口八丁・手八丁な押しの強い人間が幅を利かす時代の中で、コツコツと縁の下の力持ち的な動きが評価を受けられる世界としてIT業界があった。

たとえば、わかりやすい事例として、SIerとして大規模案件を請け負う場合を考えてみよう。SIerは、顧客である企業の要望・課題を根気強く拾い上げ、それに対する解決策を提案し、合意がとれたら、その仕組みの開発を行っていく。確かに、「御社にお願いしよう」といわれるまでの間は、契約獲得のために、派手な営業が必要となることもある。しかし、仕事のタームを考えると、受注から納品までの方がずっと長い。この間、まずは顧客との間で地道な折衝が行われ、現状分析と課題について、認識が一致するまで、やり取りが繰り返される。こうして基本仕様が決まったあと、今度は、開発に移る。大規模なSIに携わる場合、開発は工程やモジュールに分けて分業で進行する。こうした細切れでの協業に欠かせないのが、ドキュメント(仕様書)。そのため、元請け(プライマリ)の人間は、プログラミングなどの実作業は外注に任せ、黙々と仕様書を書きながら、顧客企業に進行状況の報告や、軌道修正の依頼などを行うということが日課となっていく。

こうした、地道な調整業務と書類作成が積み重なる仕事だけに、口八丁・手八丁よりも、コツコツ型が重宝されることになるわけだ。

この構図は、二次請け・三次請けになっても変わらず、末端ではプログラムのコーディング作業ということになり、いずれにしても、コツコツ目の前の仕事をこなす、という特徴が重要視されることになる。

こうしたIT業界の風土に、変化が起き始めているのだ。

商才とスピード感のネットベンチャー

その先導役になっているのが、大手ネットベンチャーといえるだろう。

SNS、簡易ブログ、オンラインゲーム、音楽/映像配信などなど、毎日のように新たなサービスがネット上で立ち上がる時代となった。ユーザーが喜ぶサービスを、いち早く提供した企業が勝ち馬となる、という世界では、スピーディな開発が命となる。このネット上での新サービス開発は、SIerが大手顧客の基幹システムを開発するのと比べると、はるかにステップ数も少なく、開発自体が容易でもある。さらに、最近ではオープン・ソース(ソフトウェアやモジュールは、作った本人のものではなく、皆で共有しあい、それに各自が手を加えてより良いものにして還元する)という概念も広まっている。こうしたオープン・ソースを用いると、システムの開発期間は著しく短縮できる。ネットサービスの場合、基本は廉価(または無料)のエンタメ系サービスとなるため、多少安定性が低く(=時折サービスが止まる)てもそれほど大きな問題ともならない。ということで、オープン・ソースとは非常に取り合わせもよい。こんな感じで、ライトに、少人数で開発を進めることになり、結果、大規模分業の時のように仕様書を書くことに時間を割かれなくなっていく。

こうした今までにないような新たな「IT業界の仕事」が増えだした。そして、その仕事は、ヒット作を生み出せば、多くの一般ユーザーから賞賛され、また、ビジネスとしても一社のSIを完了するよりも、桁の違う売上げにつながることもある。

こうした環境で働く際には、重視される特徴は、「商才(山っ気?)」や「スピード感」など180度違ったものになる。

旧型→新領域への移行は予想外にスムーズ

さてここから先は、SIerで重視される特徴、地道・緻密・分業などを「旧型のITタイプ」、ネットベンチャーで重視される商才・スピード・首尾一貫などを「新型のITタイプ」と呼ぶことにしたい。

では、「旧タイプ」が主だったIT業界で、「新タイプ」のビジネスになじめる人はどれほどいるのだろうか?

まず技術的に使用する言語だが、新タイプの領域で使われる言語は、いずれもそれほど構造が難しいものではないため、極端にいえば、旧タイプの言語の熟達者であれば、短期間に習得することも決して不可能ではない。特に、旧タイプの世界でも比較的新しい言語を使用していた人は、スムーズに新タイプで使われる言語に移行ができるといえる(図参照)。

旧タイプから新タイプへの使用言語の移行の図

次に、給与や待遇、企業ブランドなどの即物的なネックを考えてみたい。

こちらは、長らく元請け(プライマリ)がヒエラルヒーの頂点にあり、二次請け・三次請けで働く人たちは、上を目指して転職する、という構造にあった。ここに、このヒエラルヒーと全く関係ないネットベンチャーが次々と誕生してきた。最初は海のものとも山のものとも分からぬ新参者に対して、旧型領域の人たちは進んで心を開きはしなかったが、やがて、サービスが次々と認知を獲得し、社名も皆に知られ、上場する企業も多々生まれだした。さらに言うと、不況により案件減に悩むプライマリの多くが、かつてより条件を下げる一方で、成功したネットベンチャー系は総じて待遇アップをしており、昇進スピードの速さも伴って、待遇面でも差が縮まっている。

こうしたことが相まって、即物的な面では、ネットベンチャーを忌避する雰囲気は昨今非常に薄くなっている。

最後に、一番肝心な部分「人物タイプ」だが、確かに、緻密でコツコツ型の人材が多いこの業界だと、商才・スピード型の新タイプはなかなか見つけづらい。ただし、こうした業界の異能者たちは、旧型ヒエラルヒーとは関係なく存在しているために、裾野の広い二次請けや三次請けなどからも(従事者が多い分)けっこうな数が出現する。採用する側としては、元の企業の規模やブランドなどにとらわれず、フラットに人物を見ることが必要になるだろう。要は丁寧な採用活動を行えば、それなりの採用数を確保できるということであり、実際に、ここ半年で10名以上を採用しているネットベンチャーが多々存在している。

こうした流れの中で、旧型ヒエラルヒーを脱して、ネットベンチャーへと移行する人材が増えだし、ひとたび新領域にて勤務すると、自分の介在価値の大きさにより仕事が楽しくなり、また、将来的にヒット事業を立ち上げる夢や、その事業を通して経営を学んで独立する夢など、さまざまな未来が広がっていることにも気づく。

二次請けからプライマリに移り、そこで下積みを重ねてプロジェクトリーダーとなる、といった「コツコツ型」人生とは違ったキャリアプランが、IT業界にも芽吹き始めているといえるだろう。

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