建設・不動産業界-景気サイクルとアジアシフトの2本立ての求人需要

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好況不況により大きく業績が上下動し、景気を映す鏡とも言われる建設・不動産業界から、経済状況を見てみます。

レポートは、HRmics 編集長の海老原嗣生がお送りします。※2010/11/11の記事です。

外資総撤退が、旧来型の求人需要を生み出す

建設・不動産業界-景気サイクルとアジアシフトの2本立ての求人需要

建設・不動産業界のリクルートエージェントを通した転職者数が伸びている。

二番底不況が叫ばれる中、採用状況はまだまだ好転しそうな勢いだ。ただし、業界は視界良好で順風満帆とは少々趣が異なる。なぜ、活況は続いているのか、この業界を小さなセクターに分けてみていこう。

まず、都心大規模集合ビル系で、施設管理・資産管理などの経験者採用や、不動産ファンドのファンドマネジャー、そして、こうしたスペシャリストに将来育てるための若手未経験者採用が増えている。どのような背景がこうした人材需要を生んでいるのか。リクルートエージェントの不動産業界担当者は、以下のように語る。

「現在は、ビルの供給過剰で、物件自体は余っています。しかし、都心のビル需要は、新築物件を中心に人気が高まるのが常であり、その結果、余って稼働率が下がった古い物件は、壊して建て替えて新築にしなければならない、というイタチごっこが繰り返されるのです。大規模ビルは企画から竣工まで5年はかかるため、不景気のどん底を過ぎた今、こうした建て替えを始めておかないと、間に合わない。そこで、今のうちに人員確保、というニーズとなっているのではないでしょうか。」

しかし、まともに考えると、耐用年数に達していないようなそれほど古くない物件を壊しては新築していたら、1棟当たりの収益性は低下していくだろう。収益還元型ビジネスに舵を切るなら、こうした無駄はあまり好ましくなく思われるのだが。

「ところが、リーマンショック後、シビアな外資系の不動産投資が総撤退し、保守的な大手財閥系企業が生き残っている今、低利安定のこうした動きが逆に安心して行われるようになってきています。だから、人材需要が底堅く続いているといえるでしょう。」

好景気の予感、というよりは、従来からの業界定番の人材需要と考えた方が良い一例と思われる。

勝ち組企業の好サイクル

一方で、大手~中堅のマンションディベロッパーで求人を再開する動きが始まっている。

採用職種を見ても、いつでも求人難なハイパーなエンジニアの採用ではなく、女性セールススタッフやモデルルームの案内スタッフなど、比較的人気が高い職務での求人も再開している。こちらの動きはどうか。

「こちらは、業界全体の動きというよりは、会社によって個別の需要と言えるでしょう。確かに今、都心のマンション用地は、3年ほど前の加熱期と比べて2割以上安く仕入れることができます。つまり、絶好の“仕込み時期”。この安い時期にマンションを企画し、2年くらいたって竣工した暁に、好景気で土地が値上がりしている、ということになれば、最高の利益率となるでしょう。要はこうした“好サイクルに乗った”企業が、求人を拡大しているのです。簡単に言うと、2003年くらいの土地が安い時期に仕入れて、06・07年に高値で売り抜けた企業が、今度また、ボトムでの仕入れに走っている。一度よいタイミングをつかむと、好サイクルになるという典型でしょう。」

こうした“勝ち組”需要に、さらには住宅エコポイントやエコ住宅利子補給などが相まって、ここぞとばかりに嵩にかかっている状態なのだろう。

「もう一つ、リーマンショック後にリストラで人員削減をし、また採用も控えていたために、相当な人手不足に悩んでいる企業が多いのもこの業界の特色。そうした企業が、絶好調とまでは言えなくても、業績がそこそこ回復すると採用を開始する。ただし、こちらは業界経験者にターゲットは限られていますが。」

特殊リフォームに過熱感高まる

不景気の時に、一つのビルや公共財を長く使うために、リフォーム需要が盛りあがった。こちらはどうだろう。

「相変わらず業績は好調です。とくに特殊技術に関するニーズが多い。たとえば、橋梁リフォームでは、コンクリート技術者などが対象となります。従来は、こうした特殊リフォームの1番手に発注が集中していたのですが、最近ではニーズの高まりのため、業界2番手3番手にまで発注が広がっています。そこで、こうした中堅特殊リフォーム業者からも求人が増えている。特殊技術者なので、求職者不足に陥らないか、とも思われますが、その心配は無用。もともと、特殊で高度な土木エンジニアは、大手ゼネコンに人材が固まっていたのです。こうした大手ゼネコンでは、恒常的な人余りから、随時、有能なエンジニアが転職を考えています。こうした求職者の受け皿に、特殊リフォーム業界がなっているという状況です。」

構造不況業種さえアジアシフトで蘇る

では、その“恒常的な不況産業”である大手ゼネコンはどうか?こちらはさすがに求人の動きがないのだろうか?

「それが、少々趣が変わってきました。もちろん、国内の公共事業は全く薄日もさしていないでしょう。しかし、海外でのインフラ事業で、ジョイントベンチャーを組んで、大型案件を獲得するケースが増えているのです。こうした場合、ドバイなどの中近東などでは地元のサブコンを使っていたのですが、最近は中国・台湾・韓国・ベトナムなどの案件が増え、こうした近場では、日本からサブコン込みで入札することも普通になってきました。先ほどの話通り、スーパーゼネコンではまだ、熟練技術者が潤沢に在籍して人余り状態ですが、サブコンレベルでは、だいぶ人手が不足し出しています。そこで、サブコンからの引き合いが増えています」。


さて、ここから先を占ってみよう。

前回書いたとおり、世界中が金融緩和で金余り状態にある。新興国では市場最高値、欧米圏も軒並みリーマンショック後、最高値を更新という状況。ここから先は、資源・商品・土地へと金がむかうお決まりコース。不況対策でこのまま人為的ミニバブルまで突っ走る可能性はかなり高い。

それはちょうど、12年前の金融不況から立ち直るために、2000年に起きたITバブルとほぼ様相を一にする。結果、来年は、短い真夏がやってくる・・・確率は6割程度か。そのころに、建設・不動産業の「今の求人需要」はピークとなり、その後また、いつか来た道、となるのではないか。

もう一つ、もっと確実に予測できることがある。

日本の人口減少と財政窮乏化で寿命が尽きたかに見えた大手ゼネコンが、中国の猛烈な発展により、息を吹き返そうとしている。周囲を見ても、食品メーカー、アパレル、フード・サービス、GMS、コンビニなど、すべて中国需要により、また再成長を見込む戦略に出つつある。

かつて、アメリカの消費のおこぼれで成長を謳歌していた日本経済が、今度は中国へとシフトを始めた。時代の転換点に立っていることだけは確かだろう。

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