ネットゲーム業界-家庭用ゲームメーカーが、ネットゲームに強くなったこれだけの理由

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業界の方向が少々変わり、採用する人材のタイプも人数も変化してきた背景には何があったのか?

コンプガチャの規制が始まり、ネットゲーム業界も先行きに暗雲が漂ったのが2012年の春先。それから2年が経ちましたが、業界の成長は失速するどころが、ますます勢いを増しています。
レポートはHRmics編集長の海老原です。※2014/04/10の記事です。

オープン・プラットフォーム化がビジネスを変える

またまた、今年も大きくインターネット上のアミューズメント(ゲーム)業界の地図が塗り替えられそうだ。昨年、そのさわりを以下のように書いた。

『ネットゲームでも、それまではPSP(プレイステーション・ポータブル)や任天堂DSシリーズのように、ポータブルゲーム機を利用することが主であった。もしくは、パソコン経由でネットゲームを利用する場合でも、そのソフトウェアは、DeNAやGREE、mixiなどの大手SNSサイトを通して提供されることが前提でもあった。ところが、スマートフォン(以下「スマホ」)の普及により、業界の構図が大きく様変わりして来たのだ。

まず、利用端末としてゲーム専用機がもちろん不要になっていく。と同時に、ソフトウェアを手に入れる場としてのSNSが不要にもなっていく。端末はスマホで、それを購入するのは端末由来のアップルストアやGooglePlayなどになるからだ。

結果、ゲーム機の所有者やSNSなどの限られたユーザーのみを対象にするのではなく、広く汎用的にゲームを提供できるようになってきた。

結果、こうしたインフラをもたずに、ゲームソフトのみを開発してきたソフトハウス(SAP/ソーシャル・アプリケーション・プロバイダー)が制約から解き放たれ、その成長スピードを増している。そのため、提供するソフトが充実した。旧来だと、ともすれば、エンタメ一本槍でもあったものが、昨今は、たとえば、教育、健康、趣味、情報サービス、ビジネスなどさまざまな分野でサービスが拡充している』
(2013/4/4記)

予想通りのこの流れの中で、ダイナミックな変化が進行しているのだ。

家庭用ゲームメーカーの参入とダウンロード型ゲームの普及

そうした変化には二つの原因が考えられる。

一つは、上記のように、限られたユーザーではなく、世の中のスマホ所有者全員が潜在ユーザーとなったこと。それは、当たりのゲームが開発された場合、売上額がかつてよりも相当大きくなることを意味する。そのために、今までは家庭用ゲーム機などを主戦場にしていた老舗の大手ゲームメーカーが、本腰を入れてこの市場に参入を始めたのだ。

二つ目の変化は、その結果、ゲーム自体が今までとは次元を超えた重厚なつくりとなったことだ。まず、プラットフォーマーが用意したブラウザー上のサイトでゲームを提供するわけではなくなる。一つ一つの商品がダウンロード型で、個人の端末にて動くものとなっていくのだ。こうなると、ブラウザー上にあったさまざまな制約から解き放たれ、高度な技術を自由に使えるようになる。たとえば、3Dもしくは振動まで伴う4D型のゲームなどが普通に供用されるようになった。

ライトで一貫した開発から、精緻で分業の開発に

こうした流れの中で、業界地図は大きく変わりつつある。

本格参入した旧家庭用ゲームメーカーたちは、3Dや4Dなどの技術力に長けており、ますます業績を急伸長させている。と同時に、開発体制も、それら家庭機用メーカーの方に軍配が上がる。なぜなら、ブラウザー上のゲームと、ダウンロード型では、全く開発思想が異なるからだ。この部分を少し詳しく説明しよう。

ブラウザー上で、たとえば、ヤフーやDeNAなどのサイトにおいて提供されるゲームの場合、そのアプリケーションの主体は、あくまでヤフーやDeNAのサーバーに置かれている。ところが、ダウンロード型(以下「ネイティブ型」)の場合は、ユーザー個々人のスマホ内にソフトがインストールされることになる。仮に、バグや誤動作が発生した場合、ブラウザー上のゲームであれば、サーバーのアプリケーションを訂正すれば事足りる。ところが、ダウンロードされたものであれば、バグを修正したアプリを再度プラットフォーマーに申請して、通過後に改めてダウンロードをしてもらう必要がある。この違いの大きさがビジネスを変えていくのだ。

携帯電話時代からブラウザー型ゲームを長く作ってきたSAP(ソーシャル・アプリケーション・プロバイダー)企業は、スピード勝負でライトに開発を行い、バグが生まれても後で取り除けばいいと考えていた。また、都度使用料金が主体で発生費用も抑えられる。その分、敷居も低く、多少「ハズレ」のゲームを出しても、ユーザートライアルという意識ではそれなりに利用してくれる、という気楽さもあった。

さらにいえば、リアルタイムでサーバーに何万ものユーザーがアクセスしてくれるため、どの部分で長く滞留し、どの機能は全く使われないか、などもすぐにわかる。こうしたすべてが相まって、「開発はライトに」「その後のメンテナンスでゲームを進化させる」という作り方が主流となっていたのだ。こうして、ゲーム制作は1つのチームに任され、彼らが一気通貫で、企画・制作・メンテナンスをこなす、という体制が守られ続けた。

ところが、ネイティブ型ではこうはいかない。企画を詰め、バグも相当慎重に取り除き、大型のプロモーションも行わなければならない。そこまでしてハズレを出したら大赤字になるから、もちろん、企画自体も練りに練る。当然、専門特化が必要となり、一気通貫ではなく、様々な点で分業となる。こんな感じで、何から何まで過去とは異なる開発手法となる。そして、こうしたスタイルについては、売り切り型でビジネスを続けていた家庭機メーカーの強さが光る。

だから、業界地図が塗り替えられてきたのだ。

「ゲーム大好き」よりも「本格的なエポックを作れる人」

この変容にともない、当然、求人ターゲットも大きく変わった。

これまでのブラウザー時代にSAPがもとめた人材は、製作と企画では技術に強いか弱いかの差はあったものの、総じて「ゲーム好き」が重用される傾向にあった。企画側であれば、ITに詳しくなくとも、「ゲームおたく」というだけで採用されるケースさえもあったという。前述した開発手順であれば、それが成り立ったのだ。

ここも少々細かく書いておく。

世の中には無数にゲームがあふれるが、しかし、それをいくつかに分類することは可能だ。たとえば、画面左から右に動きながら、敵をシュートしていくゲーム。もしくは、下から上に上がりながら、アイテムをつかんで成長していくゲーム。こんな形で、大きく分類することは可能だろう。

その基本要素を「ゲームエンジン」という。ゲームエンジンは時折大きな斬新なヒット作が生まれることで、新たなエポックが加わるが、普段は、そうしてできたエポックをもとに、あとから各社がちょっとした工夫を加えれば、それなりのオリジナル製品が作れる。これがかつての開発方法であったのだ。

そう、ゲームに詳しい人が、新たなエンジンに沿って、着せ替えゲームをし、あとは、利用者のトラッキングを見て、改編していくという、ライトなつくり。だから、ゲーム好きであれば、ある程度はニーズを満たすことができたのだ。

ところが、百戦錬磨の企画・開発の達人が跋扈する昨今では、こうした後追い型の開発ではヒット作が少なくなっている。そこで、抜本的に新たな「ゲームエンジン」を生み出せるような人が重要となってくる。

つまり、「ゲーム好きなら」という条件で広く門戸を開いていた採用から、ヒット作を確実に生み出せる熟達者へと、採用基準が軟化しているのだ。

PHPとCの併用期

同様に、エンジニアの採用基準も大きく変化を見せている。かつては、サーバー上にプログラムを作っていたわけだから、開発言語もJAVA、昨今ではPHPが主流となる。ところが今はスマホ上で動くプログラムを作るから、それにはCやC++の技術も必要になる。ゲーム開発の求人は、こうして、JAVAからCもしくはC++へと大きくニーズが拡大した。

家庭用ゲームメーカーは、ネイティブ型のソフト制作をしていたから、もともとCやC++の開発者を豊富に抱えている。一方、サーバー上の開発はそれほど強くないためにPHP.やJAVA技術者が足りない。だから、なかなかネットゲームの世界に入りこめなかった。今はその逆で、SAPが大慌てでCやC++技術者を求めているというところだろう。

文化の違いを乗り越える経営を

こうした業界変容の波は今後も続いていく。それがITの世界の厳しさともいえるだろう。

ただし、その波に足をすくわれないように、もう少し経営の観点から俯瞰して、二つの重要なことを考えておきたい。

それは、いずれも企業内の文化に帰結する。

一つ目はこうだ。

かつてガラ携主流時代の携帯ゲームは、小さな画面とブラウザーという制約の中で、本当に軽微な内容にとどまることしかできなかった。当時は、アプリケーションとは呼ばず、「アプレット(letは“小”の意)」と呼んで、区別していたほどだ。

一方、家庭用ゲーム機は、「エンタメの雄」として君臨し続けた。そのプライドから、家庭用ゲーム機メーカーのエンジニアは、総じて携帯の世界に対するアレルギーがあった。スマホが大画面化し、CPUも進化して、そうしたアレルギーが薄れるまで、5年近くの年月が必要だった。

つまり、次世代の流れが見えたとしても、それほど簡単に人の心は変えられない。これが一つ目の重要事項だ。

実は、家庭用ゲームメーカーには原体験がある。かつて、ゲームセンターで有料ゲームが主流だったところから、ファミコンの成功で、家庭機に人気が移った時、エンジニアたちがアレルギーをもったというのだ。それと全く同じことが、20年の時を経て、ここ5年にわたり再び現出されていた。そう、時代は変われど、人の心は変わっていないのだろう。

二つ目は、理屈でその心を変えると、働く人はやる気をなくし、結局、業績を下げるということ。こちらは、最近、メガヒットを出して上場したSAPの業績が、まさに明暗分かれるという状況から導き出される教訓だ。有名なビジネスコンサルを導入し、経営企画とマーケティングを強化して、ヒット傾向を読み取りながら、それをタイムラグなく制作できるパイプラインづくりを目指した企業たち。彼らが軒並み業績悪化に陥っている。一方で、危なっかしい職人気質の経営を続けている企業たちが、当たり・ハズレは出すが、総じて元気で、業績も、中期的には上向きであること。

どちらのケースも同工異曲ではないだろうか。

経営はこうあるべき、こうすれば儲かる、という理屈で人の心は変えられない。ビジネスの拡張を望むなら、まず、エンジニアの心を鼓舞しながら、彼らの心境の変化に歩調を合わせてビジネスを作っていかなければならないということなのだろう。

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