※前回の記事「メディカル業界の変化(前編)」はこちら。
前回お話した状況は、人の流れにも以下のように変化をもたらした。
総括すると、1・2においては旧来型の業界内スペシャリストで事足りるのだが、3~5を考えると「グローバル」「マーケティング力」「ハイテク技術」の3つが不可欠となり、業界内人材では事足りない状況となっていることが分かるだろう。
こうした「どの業界でも喉から手が出るほど欲しい」人材の獲得に成功したメディカル企業は、以下のようなアプローチをしている。
以上を整理すると、アメリカ発の不況により合理化を進めた業界は、外注の台頭と、グローバル・マーケティング・ハイテク化を生んだ、という結局どこの業界でも起きている変化に行き着いたことがわかる。シニカルに続けるなら、業界勝ち組といわれる企業の経営スタイルも、推して知るべしで、他業界と同様になっている。いわく、技術志向の強いエンジニア出身社長では成功が難しく、顧客状況や売上を重視する営業出身の社長もなかなか上手くいかない。成功するのは、どの分野でどんな変化が起きているかをマーケティングし、社外投資により最短な技術獲得を行い、さらにそのための資金繰りができる経営者。すなわちコンサルティング・ファーム出身者が幅を利かすことになっている。
ただし、この経営スタイル=外注化とM&Aに頼り切るその先には、社内の技術力・営業力の先細りが待っている。同時に会社としての一体感が喪失し、いざというとき頼りになる人材が消えていく。気がつけばコアコンピタンスと呼ばれるものはどこに行ったのか・・・、この部分だけは、アメリカで起きたことの再来とならないよう、祈りたい。
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