メディカル業界の変化(後編)

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メディカル業界も、結局他業界で起きている変化に行き着いているのです。

※前回の記事「メディカル業界の変化(前編)」はこちら。

ハイテク・マーケ・グローバル人材・・・他業界の例に漏れず

前回お話した状況は、人の流れにも以下のように変化をもたらした。

  1. 1、営業・MR採用を削減し、臨床開発・薬事申請・プロダクトマネジャーなどの採用に力点を置く。
  2. 2、外注管理(発注役)ニーズ。
  3. 3、上記1・2業務とも英語力のニーズが高まる。外国薬・製品のローカライズが多いことや治験データに外国語が使用されていること、海外アウトソーサーへの発注など、業務の国際化がどんどん進んでいるため。
  4. 4、プロモーション活動や情報収集・流通役として必要な人材。単純営業ではなく、マスマーケティングができる人材のニーズが高まっている。
  5. 5、医療機器分野におけるIT/エレメカ人材。前述のWeb系人材に加えて、外資系企業なら日本への製品投入に伴う仕様変更などを担当するローカライズ役、国内企業なら本格的な設計・開発エンジニアのニーズ。

総括すると、1・2においては旧来型の業界内スペシャリストで事足りるのだが、3~5を考えると「グローバル」「マーケティング力」「ハイテク技術」の3つが不可欠となり、業界内人材では事足りない状況となっていることが分かるだろう。

こうした「どの業界でも喉から手が出るほど欲しい」人材の獲得に成功したメディカル企業は、以下のようなアプローチをしている。

  • ・昨今の輸出産業の不況に比べて、傷が浅く安定感があること。
  • ・業界内に人材が少ないため、他業界から転職すると、指導者・第一人者になれること。
  • ・全国展開企業が主のため、UIターンが可能なこと。
  • ・日本の大手メーカーに比べると、若年~中堅層の給与が高いこと。
  • ・同様に昇進も比較的速いため、役職が上がりやすいこと。
  • ・技術者であれば、ハイテクの集合製品であると同時に、製品開発全体に携われるという、二重の楽しみがあること。

利益を伸ばして体力を削るワナ

以上を整理すると、アメリカ発の不況により合理化を進めた業界は、外注の台頭と、グローバル・マーケティング・ハイテク化を生んだ、という結局どこの業界でも起きている変化に行き着いたことがわかる。シニカルに続けるなら、業界勝ち組といわれる企業の経営スタイルも、推して知るべしで、他業界と同様になっている。いわく、技術志向の強いエンジニア出身社長では成功が難しく、顧客状況や売上を重視する営業出身の社長もなかなか上手くいかない。成功するのは、どの分野でどんな変化が起きているかをマーケティングし、社外投資により最短な技術獲得を行い、さらにそのための資金繰りができる経営者。すなわちコンサルティング・ファーム出身者が幅を利かすことになっている。

ただし、この経営スタイル=外注化とM&Aに頼り切るその先には、社内の技術力・営業力の先細りが待っている。同時に会社としての一体感が喪失し、いざというとき頼りになる人材が消えていく。気がつけばコアコンピタンスと呼ばれるものはどこに行ったのか・・・、この部分だけは、アメリカで起きたことの再来とならないよう、祈りたい。

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