金融業界-クレジットカード会社が採用勝者になる必然的理由

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金融業界の人気横綱が新旧交代しつつあります。

人事や経営者が読めば、採用相場と競合の動きが一目でわかり、一般ビジネスパーソンが読めば、世の中の出来事の裏が見えてくることと思います。
金融業界の新たな主役は、クレジットカード会社。今でも大学生の就職ランキングを見れば、トップテンに銀行・保険・証券が並んでいるのに、なぜ、社会人相手だと変化が起きたのか。その理由を、HRmics編集長の海老原がレポートいたします。※2013/04/25の記事です。

今やカードは信販だけのために存在するわけではない

クレジットカード会社の採用が熱い。応募者人気も高まり出している。

その背景にはいろいろな事情があるといえるだろう。

まず、過払い金の返還も終了最終盤になりつつあること。出資法で制限される上限金利と貸出法のそれとの間にギャップがあり、このグレーゾーン金利での貸出が2007年の法改正で違法と判断されたことから、それ以前にグレーゾーンで実行された融資について、過払い金利を返還する業務が生じた。

この返還が進み、同時に、法改正から5年を経たため、それ以前の融資も大方が時効となることで、この問題もようやく集結を迎えることになる。クレジットカード会社は消費者金融業とは異なり、こうした消費者向け現金融資は、信販業務の傍らで行う派生事業に過ぎなかったために、返還金自体も少なく、この問題は経営の屋台骨を揺るがすほどのインパクトがなかったことも大きかった。

2つ目の理由として、電子商取引の浸透でカード決済量が日々急伸長していること。これに、アジア各国での経済成長により、新興国でのカード決済が増えてきた。また、SUICAなどの電子マネー、Tカードに代表されるポイントカードなど、一般企業が現金以外の決済ツールを作ることが浸透し、この運用をカード会社に委託するケースが増えたこと。さらには、こうしたポイントシステムやマイレージが、カード特典とあいのりする形で利用される提携シーンが増えたこと等々。こんな感じで、いつの間にか日常生活がカードなしでは送れないような状況となり、カード会社の事業が急伸長しているのだ。

にも関わらず、リーマン・ショックや東日本大震災での不況もあり、カード会社は新卒、中途ともに採用を止めていた。だから今になって、爆発的に求人が増えているといえるだろう。

若手、SE、グローバル

採用ターゲットは大きく3つにわかれる。

一つは、新卒採用を止めていたために、社員の年齢構成が歪んだことによる、25、26歳までの第二新卒クラスの補充。彼らについては今後、本格育成していくことになるから、前職の経験はそれほど問われない。その代わり、金融知識やセールスプロモーション、顧客となる会社の事業などを深く幅広く理解する必要があるために、基礎能力が問われるケースが多くなっている。

続いて、カード決済の基礎となるシステムを強化拡充するために、30歳前後の即戦力SEへのニーズが強い。こちらでは、国内部門と国際部門の2つの求人が寄せられている。 

国内部門では経験が重視され、ネットワークやセキュリティなどのシステムインフラ系や決済業務に強い金融系、EC(電子商取引会社)との連携などの経験や知識が重要となる。こうした分野に強く、中堅以上のSIerで経験を有するSEが採用に至るケースが多い。

一方、国際部門は、こうした経験に加えて英語力も重視される。ただし、双方を持ち合わせる候補者はそれほど多くない。そこで、上級の英語力を重視し、あとは何らかのSE経験を有する人が採用されるケースが多い。

広告代理店とも相通じる仕事

さて、こうした求人に、昨今、かなりの大手企業、たとえば都銀や大手SIerなどから転職するケースが増えている。はっきり言ってかなり人気があるのだ。その理由はなにか?

まず、仕事自体が、個人向けではなく、法人向けの大規模なものが多い。個人開拓は代理店に任せ、また直接顧客相手も事務センターやコールセンターを活用しているからだ。

もちろん、法人営業といっても、融資をするわけではないから、貸し剥がしなどもしなくて済む。スマートで取扱高が大きく、その分、企画余地が大きいことなどが訴求ポイントとなるのだ。それも、カードをいかに使うか=顧客のセールスプロモーションを考えることになるので、広告代理店やイベントプランナーと似た仕事内容となる。

昨今では、カード会社と組んだ、ホテル・飲食店・アパレルメーカー・ECなどのキャンペーンを目にしない日はないだろう。あれをしかけているのが、カード会社の企画営業部隊だと言えば、求職者人気が高まる理由も納得がいく。

さらには、コンビニエンスストアやレンタルビデオチェーンのポイントカードや独自電子マネーなども、その運用はカード会社が手がけ、そこでもまたキャンペーンが繰り広げられる。そのため、クライアントとの打ち合わせだけではなく、広告代理店やマスコミとの打ち合わせも多い。どちらかといえば、社内の雰囲気もそうした広告代理店やマスコミのようで、金融系の硬いイメージは少ない。

さらに、国際化の進展も大きな魅力だろう。まだまだ日本の銀行も証券も海外展開が進んでいないが、カード会社大手は世界各国に進出し、地元に事業所を設け、代理店と交渉を行なっている。英語が使えて海外に近い金融系は、カード会社なのかもしれない。しかも、それをCMでいやというほど見せられている。だから、採用広報でそこを訴求しやすいのだ。

一方で、もう一つ、安定志向者にも嬉しい隠れた魅力がある。採用数もそれほど多くなく、総従業員も超大手であっても5000名程度にとどまるから、メガバンクよりも一桁人員は少ない。にもかかわらず、販売代理店や事務センター、コールセンターなどの関連会社や事業所を多く持つ。そのため、将来のポストも豊富にあるのだ。

長らく、金融業界は、銀行・損保・生保・証券の大手が人気を誇ってきた。ここに、カード会社が割って入って来た昨今では、過去の横綱たちもうかうかしていられないところだろう。

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