金融業界-都銀まで大型中途採用を続けるの求人の状況

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ユーロ・ドル不安、日本での特例公債発行法の曲折など、危機感を煽る報道に対し、金融各社では求人活動が続けられている矛盾はなぜ?

レポートはHRmics編集長の海老原嗣生氏です。※2011/08/25の記事です。

金融市場の動揺とは無関係な都銀の求人活動

金融業界-都銀まで大型中途採用を続けるの求人の状況

7月最終週から8月初旬にかけては、国際的に金融市場に大きな嵐が吹き荒れた。

長引いていたEU圏内のソブリンリスクだが、いよいよスペインとイタリアといった大国にも債務危機の不安が高まりだしたことで、まずは市場全体がリスク回避姿勢を強化。同時並行でアメリカの債務上限引き上げ問題が、こちらも上下両院の「ねじれ」によりなかなか収拾がつかず、期限前日の8/1夜にようやく決着がついて一息入れたその矢先、今度はS&Pによるアメリカ国債の格下げの発表。この最後の一撃が予想以上に強烈で、格下げによりファンドのアメリカ国債組み入れ比率下げを見込んだドル売りにより、大幅なドル安→株安の連鎖を生み、8/8~8/9にかけては、世界中の株式市場が年初来安値を更新…。

一連の流れの中で、ドル資産を大量に保有する日本の金融機関も、経営体力の低下を想定され、大幅に株価を下げた。まさに、金融受難といった状況で、求人活動も下火か、と思われがちだが、どっこい、現実は、リーマンショック後、固く閉ざされていた国内大手金融機関の中途採用活動が活発化しだしている。

威勢のいい話のトップバッターには、都銀の複数行で正社員の中途採用が大口で復活しつつあることを挙げておきたい。

職種としては時節柄、IFRS絡みで主計(財務・監査)系の部署にて求人が増えている。IFRS自体、導入が後ろ倒しとはなっているが、それでも、今のうちからしっかりノウハウを蓄積しておこうという長期視点で、国際会計に詳しい公認会計士の採用が進んでいる。しかも、社員教育に余裕がある都銀だけに、「企業での勤務経験がない、監査法人勤めの公認会計士」でもOKという緩い条件となっている。一般的に、士業から民間企業への転職は、30歳近くなると現実的にはまず無理、というのが通り相場の中で、異色の採用基準ともいえ、目を引く存在となっているのだ。

都銀系で、より威勢のいい大量採用の話として、システム関連の求人にも注目しておきたい。なんと、複数行にて数十名の社内SE採用が動いている。業界外の人にはわかりにくい話ではあるが、実は都銀には大量のシステム要員(SE)が働いている。数百名を抱えるのが普通と言えるだろう。これだけ大量に雇用している中で、不況によりしばらく採用を止めていると、退職や定年、異動などが重なり、欠員がことのほか多くなっている。そこで、業績に余裕があるときに、こうした欠員を一気に補充する必要があり、今がちょうどその時期に当たっていると言えるだろう。ちょうど昨今は、2000年初頭に起きた都銀合併がそろそろ第二段階に入り、抜本統合のためのシステム案件が増えていること、グローバル化、ネット・スマートフォンなどを見越したサービスの拡張など、システム課員にとっては繁忙を極める時期にも当たるため、募集に勢いが増している。さらに、昨今では経営再建中の超大手企業に勤務して大規模システムの構築に明るいSEが、リストラや待遇ダウンなどにより転職を考えるケースが増えているため、この時期を見込んで採用に力を入れている、という声も聞く。

ただ、会計士・SEとも都銀では「スペシャリスト」としての採用であり、一番メインとなる法人営業系のスタッフについては、中途採用の話はほとんど動いていない。この部分では、新卒採用による若手の拡充と、中高年ベテラン層の既存社員の活力アップで、十分人員は足りているといえるだろう。

生保レディや外資での総合職採用。やはり日本型の採用は続く

ここ数年、中途採用が細くなっていた都銀が、いよいよ動きだしたことから、つい、この部分に力をいれてレポートを書いてしまったが、金融業界のその他領域でも、求人は着実に活発化している。

たとえば、大手証券系は、採用スペックが「ベテラン系」と「未経験系」に二極化して採用が行われている。前者としては、高額所得者に対して長期的に関係を作り、時々刻々変化する金融市場をにらみながら、最適な商品を提案していく、というスタイルの営業。最低でも3億円程度の資産を有する個人向けのコンサルテーション型の営業となる。一方、もう少しライトで、投資信託や特定商品を不特定の個人顧客に対して提案する、という “FA(ファイナンシャルアドバイザー)”職は、業界未経験者もOKで間口の広い採用となっている。こちらは社によっては数百名の採用計画が進行中。

証券同様、保険業界も採用は増えている。漢字系(国内系)大手生保では、保険金不払い問題への対応が終わり、事業拡大のために本格的に営業スタッフ募集を開始。その昔は売上連動で給与が上下するハイリスクハイリターンだった給与体系を大幅に変更し、固定比率の高い安定的な待遇条件となっている。職務内容自体も、生保レディといえば、オフィス内まで入り込んで密着型のセールスを行っていたものが、ビル内セキュリティ管理の強化により、ロビーやエレベーター前で接触して営業するライトなスタイルへと、移りかわってきた。生保商品は、多くの人が一生に一度は購入を検討するのだが、その「検討の真っ最中」に声をかけられると、ついそこに決めてしまう、という傾向がある。だから、タイミングを逃さないよう、連日多数の人に「ライトに声掛け」する型の営業が広まりつつあるのだ。一時はネットやコールセンターを使ったダイレクト型へと主流が流れたが、やはり待っているだけでは売れない部分も多かったため、接触型へと回帰しつつあるのだろう。

一方、外資系生保では採用が日本に合うよう最適化され、本社の「総合職ゼネラリスト採用」は新卒、SEやアクチュアリなどのスペシャリスト採用は中途、さらに支社やプロジェクトなどでの直販フルコミッション営業はやはり中途で、というすみ分けができ、それぞれで採用が進んでいるという。


8/8に史上6番目の大暴落を見せたニューヨークダウに対して、翌日のFOMC(米連邦公開市場委員会)にて、何かしらの金融緩和策=株価に有利な材料が示されるのではないか、という予想が広まった。要は、衆人の不安を人質にとった、ファンド主導の「おねだり相場」の典型だったのだろう。このおねだりに抗して、FOMCは「長期で金融緩和を続ける」という時間軸効果のみの中身の乏しい声明を発表。本当に市場が傷ついていたなら、こんな中途半端な政策では効果薄のはずなのに、「おねだり」ファンドの思惑ウリは、それだけで手じまいし、同日は材料薄にも関わらず、相場は反転、400ドルを超える暴騰となった。ニューヨークほどではないにしても、日本の日経平均も、場中に600ドル下げて450ドル上がるという乱高下。まさに、「思惑」だけで実体とかい離したとしか言いようのない金融市場。

冷静に考えてみよう。4~6月期決算で米国上場企業の76%が事前想定以上の業績を示し、同様に震災復興途上の日本でも2割の上場企業が通年業績を上方修正している。回復が遅れているという米国の雇用情勢とて、この9ヶ月間、(増加の勢いが緩んだことはあるが)就労者の減少は一回も示されたことがない。今回のレポートの通り、日本では“脆弱性が増した”と噂される金融業界の求人も順調に動き続けている。こうした現実的な企業活動と、株価や為替などがかい離して、実体とは異なった不安を生んでいるのが、現在の金融情勢なのではないか。この実体なき不安が、企業や個人の気持ちを冷やし、本当の不況に突入しないことを、切に望む。

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