ある特定分野で並々ならぬ技術力をもつ老舗メーカーほど、ベテラン技術者の存在感は大きいもの。しかし、一時代を築いた技術にこだわりが強すぎると、新しい技術の導入のタイミングを逃し、世の中から遅れをとる事も…。
輸送関連機の製造を行う老舗メーカーH社。社長は、自社の技術を誇りに思いながらも、継続的な会社の成長を目指すためには新しい技術の導入、新しい領域の開発へと事業を広げていくことが大切だと考えています。折しも得意先からの未開拓分野の開発依頼が舞い込んだところ。そのため、ソフト開発や制御関連の技術者採用を目指し、弊社の採用サービスに問い合わせをしました。
ただ、転職希望者と企業の間に立つ担当者は心配していました。ベテラン技術者の中に1、2名の若手や中堅が入って、思うように開発に取り組めるのだろうか?
社長の考えはこうです。「何十年もの間苦労を共にし、会社一筋で頑張ってくれた技術者達は、ウチではある意味『聖域』となる集団なんだ。今までとは違う、新しい事をやってくれなんてとても言えないよ。だから新しい技術を持った若手に来てほしいんだ」…。
下手をすれば、両者が敵対関係になってしまうかもしれないこの技術者採用。社長と弊社の担当者は、膝を交えてこんな結論を出しました。
今ある『聖域』はそのままにして、既存事業のベテランならではの開発は継続する。そして、新しく採用する技術者のために“第二開発部”という新しい部署を設ける。こうすれば、事業化が成功してもお互い役割分担ができ、良い意味で刺激し合っていけるのではないか?
逆にこんなケースもあります。
40代・50代の匠技術者や幹部経験者を、企業に売り込みをかける。企業が構想していた事業が、その人材が加わることによって加速すると考えられるからです。事実、「そんな有能な人がいるのなら、新しいポジションを作ってでも採用するよ」という企業に、弊社の採用サービスを通して複数の方々が転職しているのです。
今現在の組織を無理矢理変えて社員の反感や不安を煽るより、新しいセクションを作ってしまう。人材採用にはこんな方法もあります。技術部門に限らず営業部門などにも応用出来るこの手法。こうした事例については、弊社までお尋ねください。
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