企業の人材採用の潮流について取り上げます。今回は、意外に見落としがちで誤解を招きやすい『内定』についてです。「内定」「内定取り消し」という発言が応募者との感じ方のズレによってトラブルの原因になるケースが少なくありません。どのような注意点、心掛けが必要なのか、弊社コンプライアンスオフィス・情報マネジメント室メンバーのインタビューを元にお届けいたします。
編集 内定という概念。実は非常に曖昧に捉えている方が企業側にも応募者側にも多いと聞きますが、現状をどのように見ていますか?
情報マネジメント室 人材採用の仕組みが整備されている企業は、「オファーレター」送付で内定通知を行いますので、比較的トラブルは少ないようです。しかし、電話で内定連絡を受けたにも関わらず、後日不合格通知を受けてトラブルになるケースや、最終面接終了時に「一緒に頑張っていこう」と握手をしたことが応募者には内定と映り、後日不合格通知を受けて驚くケースもあります。
編集 内定したものの取り消しになるケースと、内定の誤解を与えてしまうケースと両方ある、という事ですか?
情報マネジメント室 そうです。前者は採用計画が急に変更になった場合などに多く、後者は不注意な行動が元になって起こるもの。ただし、いずれの場合も応募者側は、内定を得た時点で他社へのアクションを取り止め、場合によっては内定を得ていた企業すべてに入社の意思が無い事を伝えてしまっているかもしれません。すでに在籍企業で退職交渉を終えていれば転職先がなくなり、無職状態に陥ってしまう事も。内定通知のタイミング、通知の仕方…。様々な配慮が必要といえます。
編集 なぜこのような事が起こってしまうのでしょう?
情報マネジメント室 企業が内定を「予約」と考えているとそうなりかねませんよね。とりあえず仮押さえして状況が変ればキャンセルをする。これは「決定権が企業側だけにある」と考えているから起こる事。双方のコミュニケーションで成り立つ転職の重要局面でこのような誤解があると、トラブル回避は難しいと思います。企業の人事ご担当者としては、優秀な応募者に逃げられたくないという気持ちはわかりますが、口頭であっても「内定」と言えば、その瞬間に労働契約が成立するということに注意をして頂きたいと思います。
編集 そういえばこんな事があったといいます。「内定を伝えてください」とおっしゃる企業に「では応募者に全ての転職活動をストップし、退職交渉するよう伝えていいですね」と確認したところ、「ちょっと待って。もう一度確認する」という返事がきたと…。
情報マネジメント室 「予約」と捉えていた典型的な例ですよね。だからこそ「オファーレター」を作成して、両者にとって誤解のないよう文書として形の残るものにする必要があります。ただ書類通知後に、米国本社の意向が変り採用そのものが取り消しになる、といったケースも無いわけではありません。
編集 その場合はどのうような対応が必要なのでしょうか?
情報マネジメント室 状況の変化が予測される場合、過去にそのような事例があった場合等は、応募者に状況を伝えておくという方法があります。ただ合否結果が遅れているのと、理由があって遅れている事が分かっているのでは心理的にも行動にも変化が出てきます。「最終決済が出るまで1週間かかりますのでもう少し正式通知を待ってください」企業からそうした一言があれば、応募者は待ってくれるし逆に誠意さえ感じると思います。
編集 「オファーレター」には入社日等の他にどんな内容を盛り込み必要がありますか?
情報マネジメント室 採用職種、勤務地、年収など、条件交渉で確定した内容を明記するのがベストです。そうすれば入社後のトラブルも避けられますし、転職者側も責任を持ってその会社で働かなければという思い、決意も強くなると思います。
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