景気の動向によって企業の採用意欲も上昇し、求人増加傾向が続いている転職市場。当然、“人材の奪い合い”という競争も激しさを増しています。しかしこの競争は、決して企業と企業の間に発生するものだけとは限らないのが、採用の難しく、デリケートなところです。
和菓子の老舗メーカーA社は、創業時から食材と職人に超一流を通し、最高の品質で歴史を守り続けている基本に忠実なメーカー。業界での評価はもちろん、根強いファンを全国に抱えています。「最高の和菓子をより多くの人々に」そんなビジョンを持ち、組織強化によるビジネス拡大を目指していました。
そのための経営幹部候補を中心とした若手人材の積極採用を実施。A社の企業理念・経営方針、商品力に共感する求職者は多く、書類選考、面接、内定へと順調に進んでいくポテンシャルに溢れた若手が少なくありませんでした。
しかし、どういうわけか、内定後に辞退してくる応募者比率が減らない…。A社の人事担当者は、最後のどんでん返しが続くようではいつまでも計画的な採用などできないと考え、辞退を伝えてきた人材に対し、その理由を本音で語ってもらうことにしました。
すると圧倒的に多かったのが、親が転職に反対しているという答え。「大学を出てなぜ職人になるのか」…中にはこんな極端なやり取りもあるようで、「転職者本人を取り巻く人たちにも、会社や仕事に対する誤解を解くことからがウチの採用なのでは」と考えさせられたのでした。
老舗だからこそ強いイメージ。会社というよりお店、社員というより職人さん、という間違ったイメージが先行してしまうことが内定辞退の大きな原因となっていたのでした。ならばと、そこで真っ先にA社が行ったのが、商品のファンに接するのと同じように、経営スタイルを採用方法にもきちんと反映させることでした。
A社は、商品のクオリティには一切の妥協を許さないことで、老舗メーカーとしてのポジションを揺るぎないものにしてきました。特に食材には厳しく、取り寄せる産地・畑から収穫日までを指定する程。しかしこの“厳選”は食材だけではなく、人材に対しての考えも同じなのです。
「あなたは当社が必要とする選ばれた人材なのですよ」
応募者を心配する家族にそう伝えるためには、どうしたらよいか。
A社がとった行動は、社長自らが応募者の自宅を訪ね、内定の旨を伝えるという方法でした。もちろん持参するものは自慢の和菓子と直筆の内定書。そこには「採用したい理由」が社長の言葉で書かれ、厳選という言葉なくして厳選採用であることを、内定者とその家族に伝えることに成功したのです。
採用プロセスの一貫に社長登場と独自の方法を取り入れたことで、内定辞退率を格段に下げることができたA社。採用効率が上がったばかりか、A社を好きになってくれた人が入社することで、力一杯仕事をしてくれる人材にも恵まれることになりました。「真面目に仕事をしなければ家族の応援を裏切ることにもなる」…内定通知書の存在で、そんなふうに感じている新入社員も、多分、少なくないのでしょう。
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