飲食・接客業界-店舗経営のプロを目指すなら、居酒屋店長

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最近特に、居酒屋チェーンの採用成功事例が増えてきているようです。

飲食接客経験のある人たちが採用できているそうです。なぜ、居酒屋チェーンに応募者が集まるのか。HRmics編集長の海老原嗣生がレポートします。※2012/12/06の記事です。

手間を省いたリーズナブルなエージェントサービスが浸透

前回の流通サービス業のレポートでも報じたとおり、飲食業界でも転職エージェントを通じて人材を採用することが普及し始めている。その理由についても、述べたとおりだ。ざっと復習しておこう。

ひとつは、若年人口の減少とともに、飲食接客業の人材確保が非常に難しくなっていること。こうした求人難で従来の広告型募集では採用がはかどらず、転職エージェントにオーダーが入るようになってきた、それが一つ目の理由。

もう一つは、従来、人材バンクはホワイトカラーやエンジニアを中心にサービスを提供していたため、職歴やビジネススキルなどを細かくヒアリングして、マッチングを行っていた。企業もそうした適合を詳細まで確かめるために、面接を3度も4度も重ねて、ようやく採用にいたった。こうした手間ひまかけたサービス提供だったため、紹介料もそれに釣り合うような価格となっていた。そこまで詳細スペックを重要視せず、人物本位で採用を決定する飲食接客業界の企業からは、オーバーサービス感がもたれ、そのため転職エージェントがあまり利用されなかったのだ。

そうした中、提供サービスを絞って、料金も下げた新たなエージェントビジネスが生まれ、料金・サービス面でも問題がなくなったために、直近、飲食接客業の転職エージェント利用が急拡大し始めたのだ。

たとえば、リクルートが提供している「リクナビNEXTプロジェクト」という商品は、メールスカウトとエージェント機能を合体させた合理的な仕組みとなっている。具体的には、リクナビNEXT会員の中から、望勤務地や職務経歴などが想定と合致する人物に、規定数のメールを送ってスカウトを行い、応募した人の面接(または説明会参加)日程を調整する。初期費用以外には採用者が現れるまで、費用はかからない。職歴を限定してスカウトができるため、採用者には業界経験者が多くなることも売りの一つだ。

意外?長時間労働はほどほど。その分、とにかく頭を使う

実は、居酒屋チェーンの求人は、飲食サービス業の経験者からかなり人気があるのだが、その理由を説明しておきたい。

まず、店自体がかなり大きな売上を持ち、雇用するスタッフも多い。商品も多い。さらに、酒肴が中心となるために、生鮮食品も多く、固形燃料を利用した鍋や焼き物など、目の前で料理するメニューも多い。そのため、セントラルキッチン中心ではなく、きちんとした調理が必要となる。つまり、店長ともなると、チェーン店といえども、個人経営のレストラン同様に、自前で切り盛りする腕が磨かれるのだ。

これだけ熟練が必要な仕事なだけに、少数メニューのファーストフードとは異なり、オペレーションも難しい。そのため、多店舗兼務などは不可能であり、一店舗のみの店長となる。結果、多店舗兼務店長のように、バイトの急な欠勤やローテーションの谷間に、複数店をかけ持ちしながら長時間労働となるようなことがない。

また、酒類と定食が中心のため、朝食を提供していない店が多く、勤務は通常、昼時、および夕方以降で、午後には中休みもあるため、営業時間はどんなに多くても12時間程度。24時間営業の業態とは異なり、しっかり休みがとれるのだ。

人間力も重要。実力主義で30代本社役員も可能

この仕事は、完全マニュアル化のファーストフードとは異なり、ナレッジワークもかなり多い。たとえば、顧客との会話。酔客なのでフランクに話しかけられることも多いが、それに対して適宜、笑いも交えて言葉を交わし、会話を楽しむこともスキルのひとつ。時間が余れば、周囲の企業や、よく来てくれて名刺を交わしたお客さんの元などへ、宴会のご案内といった営業も行う。その際、なじみ顧客にちょっとしたお心づけをできるかどうか、などの気配りが重視されたりもする。人間性が思いのほか活かせるだけではなく、それにより、売上も増える仕組みなのだ。

そして、冷凍食品や半生加工品が主流ではないため、仕入やロス計算などが重要ともなる。ここに、光熱費や人件費も絡んでくるため、経営にはヘッドワークが欠かせない。

たとえば、変動費の削減、売れ筋商品の仕入れ拡大、店員を通じた販促(●●が今、旬ですよ等)、廃棄ロスの削減などにより、売上拡大や経費削減が店長の手腕で可能となる。そう、マニュアルに応じたオペレーションではなく、れっきとした経営活動なのだ。

こうして実績を上げ、余裕資金が生まれると、販促キャンペーンやスタッフ増員などでも、本部に強いことがいえるようになる。まさに、店長次第で店の業績は大きく変わるといえるだろう。

ただし、誰もがここまで進めるわけではないため、成長が遅い社員でも脱落しないよう、各種の自動化・マニュアル化が進んでいる。たとえば、在庫状況に応じた自動発注システム、エリアマネジャーと本部の2ヘッドで企画される拡販キャンペーン、新人パート・バイトの一括教育プログラム、さらにはSV(スーパーバイザー)による経費・売上管理などなど。普通の人が普通に勤務していても、それなりの売上が可能で、脱落は少ない。あとは、やる気と工夫が伴えば、さらに上を目指せる、という仕組みなのだ。

入社後、座学や実習などの研修を行い、その後、実習店で実技を学び、1~2か月後に本配属。配属先も、大型店で自分の他に店長がいて、自分は副店長として勤務するので、随時指導を受けることが可能。そうして、大体1年を目安に店長となっていく。

ここから先は本人の能力次第なのだが、店長を5~8年程度経験してから、SVとなるケースが多い。ただし、そこは実力主義のため、早くから店舗経営に長け、粗利を稼いで、キャンペーンなどもうまくやっている店長は、3年程度でSVへの昇進もある。

そこからとんとん拍子で出世して、30代中盤には役員、というケースもまま見られる。いや、創業陣以外からの昇進はこうしたスピード出世組が多いとも言えるだろう。

最近では吉野家の社長である河村泰貴氏などが典型的なケースであり、高卒―店舗スタッフのアルバイトから昇進を重ね、30代後半で、グループ会社のひとつ、「はなまるうどん」を展開する、はなまるの社長、そして今春から吉野家ホールディングスの社長と、大きな飛躍を果たしている。


ハイテク産業は輸出が振るわず、韓国や中国の追い上げで、何かと暗い話題が多い現代の日本。当然、若手ビジネスパーソンは、将来の出世さえおぼつかないと、キャリアに不安を抱きがちだ。

それならば、これからは手に職!と飲食業を目指してみるのもよいのではないだろうか。

年功序列のゆっくり人生よりも、若い時代から「店」を任され、実力次第で30代役員!そんな、夢を描けるキャリアパスが、ひょっとしたら「居酒屋」チェーンなのかもしれない。

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