ハイテクメーカーの逡巡(前編)

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NIH、OEM、EMS、ファブレス、ファンドリー、ODM、フルターンキー。
横文字とカタカナが並ぶこの業界のトレンド用語、あなたはどこまで理解していますか?

採用や教育など人事関連の実務に追われて忙しい毎日の皆さまに、広くビジネス全体を知っていただく機会をご提供していきます。ビジネスの動きを知ることで、明日の人材の動きも、よりはっきりと見えてくるのではないでしょうか。この連載は、HRmics編集長の海老原がレポートします。

日本型経営から訣別の10年

2000年代、日本のハイテクメーカーは経営様式が激変したのをご存知だろうか?

簡単に言えば、旧来型の経営の特徴は”全てを社内(グループ内)で作り上げる”ということにあった。製品設計だけでなく、機能設計・詳細設計をも超大手が担当し、組み立てはもちろん、モジュールやパーツの製造に至るまで、系列内の”下請け”に任せる、という、自前主義がまかり通っていた。そのさまは、欧米からNIH(Not Invest Here=もはやこれ以上投資するものはない)と揶揄されながらも、系列内の縦連携に従い、下は経営に危機が及べば上に支援を仰ぎ、上は技術情報をグループの結束で守り抜く、という形で世界に冠たる”日本型経営”を謳歌出来ていたのだ。そのオールド日本の代表選手だったハイテクメーカーで、現在では、”えっ!ここまで”と思うくらい、いたる所で合従連衡が進み、さながら百鬼夜行の状況を現出している。

系列のメリットとデメリット

すべてを系列内で持ち合う体制は、上位企業・下位企業とも成長期にはメリットが大きいが、成熟期になるとデメリットが目立ちだす。 

たとえば、上位企業は、成長期で部品不足のとき、確実に納品を確約してくれる下位企業の存在は心強い。しかし、成熟期にはパーツが市場に出回り、ダンピングが横行する中で、下位企業は足かせになり始める。さらにパーツの標準化が進み、同一仕様・同一性能で市場に大量にあふれるようになると、それらの組み合わせにより、旧来品のアッセンブリは簡単に作り出せるようになってしまう。こうなると、上位メーカーは存在意義を問われることになる。デザインや新コンセプトなど、技術以外の新たな付加価値作りに専心して付加価値を生み出し、一方で市場にて最安値のパーツを仕入れて価格優位を保たねば、生き残りが難しくなる。こうした中では、系列維持のモチベーションが薄れてくるのだ。

一方、下位企業は、成長期には未熟な技術の指導を受けながら、計画通りに生産すれば、全てを上位企業が買い取ってくれる”系列”のメリットを強く享受する。ところが、成長が進むと、自社の技術力が高まり、その技術に他系列から注目が集まるが、系列の壁がビジネスを阻むことになる。この状況で上位企業が経営不振に陥ると、外には顧客がいくらでもいるのに、ともすれば親会社と共倒れしてしまう危険を感じるようになる。明らかにデメリット超過状態だ。そして彼らの目線も系列を超えて市場に向いていく。

こんな長短交代の道程を、日本のハイテクメーカーは2000年代に歩んできたのだろう。

系列外分業の出発点

系列を超えた合従連衡の始まりは、1980年以前に遡る事が出来る。トヨタにとって侮りがたい大サプライヤーとなったデンソーやアイシンなどが、広く自動車業界全体を顧客化し始めたことがその始まりと言えるだろう。系列を飛び出てビジネスを始めた場合、相手方企業との腹の探り合いが待っている。発注側からすると、ある部分を系列外に外注してしまうことで、その分野の技術力は衰えて行き、将来的に生殺与奪権をその外注に握られてしまう危険性を感じる。一方、外注側からすると、納品先として戦線を延ばした後で、いきなり発注を減らされれば、仕方なくダンピングに応じるしかなくなる。こうして、さや当て期に恐る恐る始まった系列外取引は、大量発注にいたるころ、両者とも”自分がいなければ相手の経営は成り立たない”という認識に至り、蜜月関係となっていく。

この協働を劇的に進めたのがOEM(相手方ブランド製造)だろう。パーツはおろか、モジュールも製品も全てを丸投げにしてしまう形の協働だ。こちらは80年代より家電業界にて、当初、ソニー⇔エプソンなどのような、ゆるい資本関係のある準グループ内にて始まる。作る方は開発力を持っており、売る方はブランドと販売網を持っている。この両者による相互補完がOEMだった。当時のOEMは、売る方も十分技術力はあり、早晩、同じ製品を開発可能なのだが、海のものとも山のものとも分からない新製品に、いきなり開発投資するのは危険、というリスク回避目的が強かった。そのため、市場に製品が普及すると、自前製造に切り替えるケースが少なくなかった。

こうして80年代に系列外取引と脱自前主義が牧歌的に産声を上げたのだが、90年代はこの様相が一変する。この続きはこちらで詳しく述べていこう。

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