総合商社-総合商社は不死鳥!大量中途採用で新ステージへ

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従来、新卒採用中心だった大手総合商社が中途採用を本格化し始めています。

従来の総合商社は、新卒採用から入社後10年を徹底的な基礎教育期間と位置づけ、その間は昇進に差をつけず、脱落者がないように着実な育成を行う、という日本型雇用の極みのような存在でした。一方で、時代の空気を読み、勝機を見逃さないのが総合商社の真骨頂でもあります。中途採用の本格化ということは、昨今、そんな時代の変化を巧みに読み取り、大きく採用方針を変えてきたということでしょう。早速、その動きをHRmics編集長の海老原がレポートします。※2012/12/20の記事です。

「採用の横綱」であり続けた総合商社

振り返ると、大学生の人気企業ランキングは、時代の変遷を映す鏡のようでもある。

戦後まもないころ、学生たちは「3白」と呼ばれる産業(砂糖・紙/パルプ・セメント)や映画会社などに熱い視線を向けていた。それが高度成長期が始まる直前ごろになると、造船や石炭に人気が移り、1960年代には合成繊維、鉄鋼が花形産業となる。日本が高度成長の波に乗ると、耐久消費財や娯楽などにも関心が移り、自動車・電機・マスコミ・旅行・航空などが1970年前後からランキング上位に入り出す。同時に、経済の血流でもある金融にも人気が集まり、常連メンバーが固定されてきた。ここに90年代末以降、IT産業が加わって、今に至るといえるだろう。

ただし、こうしたラインナップにあっても、金融危機や円高ショックなど、時代を特徴づける事件が影響して順位を大きく下げてはまた復活、という感じで、固定メンツの中では常時変動が起きていた。そんな変化の激しいランキングの中で、常に上位に顔を出し続けてきたのが、総合商社なのだ。就職・転職をずっとウォッチしてきた立場からすると、正直、商社は、人気ランキングの真の横綱ではないか、と感じている。

では、その人気の源泉はどこにあるのか?

まずは、世界を股にかけたビジネスであること。

そして、金額の張る大きな仕事ができること。

さらにいえば、鉄道、鉱山、インフラなど、社会的影響の大きい国家的プロジェクトに携われる可能性があること。

もちろん、忘れてはならないのが、そんな大きなやりがいを裏打ちする高給。これも人気の理由といえる。

かつて、30歳で年収1,000万、40歳で2,000万と言われるような(もちろん、多少オーバートークはあるが)超高給業界は少なからず存在した。

たとえば、80年代では、当時まだブラックボックス化された独占市場だった汎用機の世界(主に外資系)、90年代半ばまでなら不良債権に悩まされていない都銀や航空自由化の波が押し寄せていなかったエアライン。2000年代前半までだと、ネット広告やネットTVなどの競合が小さかったマスコミ・広告代理店……。しかし、そのどれもが、規制緩和や参入障壁の消失により、独占状態が壊れることで、いつしか「普通の会社」となっていった。

そんな浮き沈みの中で、今でも唯一「30歳1,000万、40歳2,000万」を貫き通している業界が総合商社なのかもしれない。

なぜ、商社マンは大きな仕事をこなせるのか?

では、どうして商社マンたちは、世界に羽ばたいて大きな仕事ができるのだろうか。

実は、それを可能にする裏に、「大器晩成型」の育成があるといえる。

たとえば、今、東南アジアで1兆円の原子力プロジェクトが進んでいるとする。このプロジェクトの指揮を、まさか、入社2、3年目の若手ができるはずはない。それは素人でもわかるだろう。

この実務を取り仕切るためには、ゼネコン・重電・制御など、プロジェクト傘下に入る大手企業の技術や商流などがすべて分からなければならない。それだけでなく、プロジェクトの途中、いたるところでトラブルが起きる。そんな難題に、いつも冷静に対処して解決していくスキルが不可欠だし、そのための精神的体力も必要だ。さらにいえば、相手国の語学力ももちろん必須だし、当地での人的コネクションや地理感覚なども身につけておかなければならない。

これでお分かりいただけるだろうか。つまり、技術、語学、現地事情、パートナー企業……こうしたビジネスに必要な知識・スキル・商習慣すべてを身につけるためには、すぐに5年や10年が過ぎてしまうのだ。そうして、こんな、「業界でなんでもできるプロ」に育つと、余人をもって代え難い存在となり、大きな取引を受け持つことになる。こんな存在だから、インターネット全盛で直接取引が可能な現在でも、商社の存在価値は全く衰えていないのだ。

業界エリートと先端スペシャリストがターゲット

ここまで読むと、「そんな形でじっくり業界のプロに育てるのなら、中途採用はふさわしくないのではないか?」と思われる方も多いだろう。

ところが、昨今では大手総合商社がかなり大規模な中途採用を続けている。新卒比で8割に迫るような会社もあるほどだ。それも、28~33歳くらいの中堅どころがメインターゲットとなるという。

その理由は、なぜか?

2000年前後に商社は、「冬の時代」と呼ばれたことがある。当時は、インターネットの隆盛により「今のままの手数料ビジネスでは商社は不要になる」という空気が漂っていたのだ。さらに、バブルや金融危機の後遺症が重なり、財務的にも苦しい時期だった。そこで、大手商社は軒並み、新卒採用を5年程度ストップした。結果、この年代に入社した社員が極端に少なく、それが、組織バランスを狂わせている。そこで、戦力補充を行う必要性が生じた。それが第一の理由。

ただし、もちろん前述のように、守備範囲における専門知識や商流などに詳しくないと商社マンは機能しない。そこで、採用者の第一ターゲットは、担当する業界の出身者、それも、世界を相手に大きな仕事をしているグローバルハイテクメーカーに勤務している人材となる。このスペックであれば、商社での勉強期間をショートカットできるだろう。

一方で、商社の守備範囲ではない業界のスペシャリストも、並行して採用を進めている。たとえば、外資系金融のトレーダー、ファウンダー、キャピタリストなどの金融プロ。もしくは、ビジネス・コンサルティングのプロ、ITビジネスやeコマース出身者、行政官などがこちらのターゲットとなる。商社では、従来型の「業界での幅広い経験を活かして縦横無尽の活躍をする」人材を主に生み出してはいるが、一方でこれからは、そうした口銭ビジネスの発展形ではなく、金融やIT知識をもとにした、スマートソリューションが重要になる、と踏んでいるからだ。中途補強するなら、社内ではなかなか育成が難しい、こうした人材にも触手を伸ばすべき、ということなのだろう。

中途採用は難しい。だからこそ成就させたい

さて、こうした流れに対して、当の商社側はどう考えているのか?

知人の現役商社マンに話を聞いてみた。

「最近の商社は、口銭(取引手数料)ビジネスから投資・コンサル型ビジネスに転換したとよく言われます。ですが、投資・コンサル型の上流をとるビジネスも、実は、かなり泥臭い部分が多いのです。たとえば近年、商社が流通やサービス系でM&Aなどを繰り返していますが、これも、金融的な投資とは少々異なるのです。コンビニを例にあげれば、店舗内で立ち読みスペースを増やし、トイレを貸し出すことで、集客アップとお客さま滞在時間の延長が望め、そこに店内放送で新商品情報を流せば、売上アップが見込めます。こうした戦術はコンサル的に考えられるのですが、それをチェーン側に理解してもらうのは、一筋縄ではいきません。だから私たちは、チェーンにどっぷりつかり、最初は仕入れ原価の削減などで、目に見える信頼を勝ち取り、そこから、廃棄ロスの削減、納入スケジュールの短縮化など、われわれの得意な領域で、ちょっとずつ、相手側に“こいつと組むとトクだ”と理解してもらいます。こうして信頼を粘り強く獲得していけるから、商社は強いのです。つまり、金融業やコンサル業では画餅に終わることが実現できる。その秘密は、やはり、肌と肌の付き合いで、自分という人間を相手に認めさせられる商社マンの特性にあるといえるでしょう。結局、このような、懐に入り、かわいがられて、地道に現業を積み上げ、そして、無理難題を“何とかしてしまう”力を持つから、商社は強いんですね。そんな風に育つ可能性のある人材を採用して、それを長年かけて育てるのが商社。中途でもその目を活かして、好人物をチョイスすることは可能です。ただ、採用後はそこから長年かけて育てることは難しい。その部分をどううまく乗り越えるか。そこが難しいでしょう。でも、難しいからこそ、チャレンジするのだと思います。そういう難題に立ち向かうことを好むのが商社マンの特性でもありますから」

そう、そんな商社マンだからこそ、前述した「商社 冬の時代」も乗り越えられた。

実は1980年前後にも、商社には冬の時代があった。オイルショックや世間を賑わせた疑獄事件、中堅商社の破たんなどが重なって、その時期、商社全体に動揺が起きたのだ。ただし、それもほんの数年で乗り越えている。

そう、一度ならず二度までも、どん底から這い上がった実績を持つのが、総合商社なのだ。規制と独占が崩れたらそれで失速してしまった他業界とはまるで足腰の強さが違う。そこには、机上の空論で鉛筆をなめまわすようなお勉強秀才ではなく、頭脳ワークもできる野生児たちの“なんとかする力”があった。

今回の中途大量採用で、金融やITやグローバルメーカー出身者の「知恵」が、商社の”何とかする力”と結びついた暁には、また新たなるビジネスステージが幕を開けることになるのだろう。

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