不況期の採用戦略-採用天国の実情と勝ち抜き方(後編)

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大切なのは「採用するのは機械ではなく人間なんだ」という基本を忘れないことです。

去る7月17日にリクルートエージェント社内で行われた、第4回「HRmicsレビュー」の概要をお届けする2回目です。
弊社のベテラン・コンサルタント5名に、巧みな採用戦略で成果を上げている企業の実例を語ってもらいました。司会はHRmics編集長の海老原嗣生です。※2009/10/15の記事です。

座談会出席者

一石三鳥の採用手法とは

海老原:いくら採用天国と言っても、よい人材の獲得にはそれなりの知恵と戦略が必要です。求職者のハートをがっちり捉え、狙った人材が確実に入社するための、参考になる実例を教えてください。

中田:私の担当している金融関係の企業が、説明会のやり方を工夫しています。通常は会社案内や仕事内容の説明など、一方向の情報提供に終始してしまうため参加者が次第に飽きてしまうのですが、この企業では実際の仕事に直結するワークショップを参加者にやってもらっています。

具体的には、一人一人に友人リストを作ってもらい、その中から、売り込みが成功しそうな友人、顧客を紹介してくれそうな友人を選ばせ、成功させるにはどうしたらよいか、を考えてもらいます。

リスト作りがうまくできない人は入社しても続かないので、ご縁がなかったことにする。3ヶ月間で60人、この手法で採用したのですが、入社後に追跡調査をすると、そのうちの9割が成績上位者の2割に入り、残り1割も真ん中くらいの成績を上げているそうです。

海老原:採用時の美辞麗句を排し、仕事の難しさや苦しさも応募者にしっかり伝える手法を、リアリスティック・ジョブ・プレビュー(RJP)と呼びます。これを実行すると応募者の数は減りますが、残った人は仕事内容を熟知し、覚悟して入社するため、定着率がよくなるというメリットがあります。先ほどの企業のやり方はまさにRJPそのものであるとともに、リスト作りがうまい人は即戦力になり得るというスクリーニングの効果もある。おまけに、入社が決まった場合、すぐに取りかかれる見込み顧客リストが目の前にできている。一石三鳥のやり方です。そこまで、お互いをさらけ出して見せたら、入社後のギャップは小さいでしょう。それが好成績に現われているのだと思います。

こうすればうまくいく「中途向けインターンシップ」

廣瀬:あるベンチャー企業の例ですが、2次面接通過者に、2日間のインターンシップを義務づけています。新卒なら多くの企業が実施していますが、中途採用でのインターンシップというのはかなり珍しい事例です。その内容は、仮に入社に至った場合に配属される予定の部署で、実際に任される仕事とほぼ同じことをやってもらうのです。そして2日間の経験をもとに、役員にプレゼンテーションを行うのが最終面接となります。「うちで働く姿がイメージできるからでしょう、求職者の意思決定率が以前よりも高まりました」というのが担当者の言葉です。

木村:面白い試みだと思いますが、中途採用におけるインターンシップの実施は一長一短があると思います。動機形成という意味ではメリットがあると思いますが、求職者の立場はどうでしょうか。2社、3社と掛け持ちしている人は早く内定を出してくれた企業に決めてしまうと思うのですが。

廣瀬:その通りだと思います。選考スピードという点で、他社に比べて不利なことはその企業もよくわかっていて、書類選考は到着したその日に行う、1次および2次面接を同じ日に実施する、最終面接は土曜日を使う、と様々な手を打っています。しかもインターンシップを課すのは応募者全員ではありません。「ぜひ採りたい」という人向けの囲い込み策という意味合いが強いのです。面白いことに、入社予定の人が職場に来ると、既存の社員たちも活性化するようですよ。

海老原:エンジニアやスペシャリスト系の職種だと、仕事とスペックをお互いに合わせようとしてしまいがちですが、生身の人間ですから、どんな職場でどんな仲間と働くのか、といった視点がむしろ肝心なのです。お互い兜や鎧を脱いで、どこまで生身の姿を見せ合えるかが重要ではないでしょうか。

木村:メディカル業界では、大手企業ほどそれがうまくありません。中堅・中小、あるいは外資系のほうが、そうしたアナログ的な部分を重視する採用がうまい。例えば、大手A社と中堅B社の2社から内定をもらった人がいるとします。年収、会社の格、勤務時間など、客観的に見たらA社のほうが断然よいのに、最終的にはB社に決定するといった事例を何度も見てきました。多くの転職者は年収やキャリアのアップができそうだ、というだけではなく、経営者が描く夢やビジョンに共感して入社するのです。それは企業側も同じで、「そういう人が欲しい」と採用担当者は話すのですが、企業の夢やビジョンを伝えるのが人事側からだと話が噛み合いません。やはり社長本人が自分の言葉で求職者に伝えていかないと駄目です。

面接が終わった後、社長自ら「ぜひあなたに来て欲しい」と立ち上がって握手を求めようなら、多くの人が熱意に打たれ、年収が多少ダウンしようとも、「この会社に決めた」となるのではないでしょうか。そういうことを実践している企業が結局、ふさわしい人の採用に成功しています。

採用面接をコンサルテーションの場に

海老原:おっしゃる通りですね。最後に、私が最近聞いた不動産業界の事例をお話します。店舗開発系の異業種のスペシャリストを採用した企業の話ですが、求職者の面接をコンサルテーションの場にすることで、よい人材を確保できたそうです。

異能人材はどうやったらとれるの?面接をコンサルの場に

異業種のスペシャリストは「他へ移っても話が通じるのか」「自分に何ができるのか」で悩んでいるものです。その不安を和らげるために、1次面接で、通常は社外秘とされている経営資料も見せながら自社の問題点を徹底的にレクチャーし、「どんな改善策が考えられるか」を2次面接の際の宿題にしたそうです。

2次面接では求職者が主役となり、専門家の立場から改善策を滔々とプレゼンテーションします。終了後、その内容を社内で精査しておき、最終面接では、実現可能なプランに予算と人をつけて、「入社したら頑張ってくれ」と言うそうです。自分の意見が取り入れられ、ポジションも約束され、予算もつけてもらった。年収は上がるわけではありませんが、ここまでお膳立てされれば、意欲は高まるでしょう。しかも、求職者にとっては、選考過程自体が楽しくてわくわくするものだったはずです。

大切なのは「採用するのは機械ではなく人間なんだ」という基本を忘れないことです。

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