貧乏揺すりや腕組み、眉間のシワ寄せ…。悪い癖に気づき、あわてて体勢を立て直すことがありませんか?「なるほどですね」「ワタシテキには」そんなわけの分からない言葉を、つい口にしてしまう頻度が上がっていませんか?
無意識だから困ってしまう“癖”。自分の身体の一部として長い付き合いをしてしまうと、それを直すのにもまた一苦労です。
若手から絶大な人気のある日用品メーカーのB社が、ある部署の採用の時だけ内定辞退率が異常に多い…。実はここにも、面接官の癖が関係していたというお話です。
B社は、これまでキャリア採用には無縁の会社。しかし、景気後退期に採用人数を控えたため組織構成に不バランスが生じ、ついに営業部門、企画部門、管理部門等に人材の経験と適性を見ながら配属する、キャリア採用を行うこととなりました。
“B社のはじめてのキャリア採用”そのキャッチフレーズだけでもインパクトがあるためか、予想を上回る応募数があり、人事担当者は「これなら入社人数・時期ともに計画通り行くのでは」と、経験のないキャリア採用に確信を持てるようになっていました。
しかし、どういうわけか、内定を出した人材から辞退の知らせが入るケースが目立つようになり、調べてみると、ある部門長のT氏が最終面接を行った場合だけ辞退の確率が高い、ということが分かってきました。そこで人事担当者は「勉強のために立ち会いしたい」とT氏に配慮した理由をつけて、どんな面接が行われているのか真相を探ることにしたのです。すると、一つの現象が。
応募者が話をした後、T氏が必ず「本当にそうなの?」と返し、応募者が沈黙する…。このパターンが何度か繰り返されたのです。最初はきちんと受け答えしていた応募者も、その回数が重なるとなんだかガッカリしたような表情になり、返す言葉もが少なくなっていく…。
事実、その最終面接を経た応募者からは翌日連絡があり、応募を辞退したいとのこと。『言っていることを信用してもらえないみたいで、御社で仕事をする自信がありません』という、その面接の場にいた人になら理解できる、実にシンプルな理由からでした。
業務で日々T氏に接している社員たちは「あぁ、あれは口癖で、そこに深い意味はないですよ」という。しかし面接官を変えるわけにもいかないため、人事担当者はT氏にその事実を報告することにしました。もちろん、T氏にとっては単なる口癖だったわけで、応募者にそこまでの衝撃を与えていたことに驚き、ショックを受けたようでした。
「これからは注意するよ」自分の対応のせいで重要な人材を失っていたことを知ったT氏から、理性的で快い返事を得ることができた人事担当者は、ホッと胸をなでおろし、もう面接の立ち会いも必要ないと判断。もちろん、それから応募者の辞退率は減少し、定期的に行うこととなったキャリア採用は、経営陣からも合格点をもらえる計画通りの採用が実現したのです。
「新卒と違って様々な環境でビジネス経験を積んでいる人材は、相手の反応から何かを読み取る敏感さも備えている」B社は、キャリア採用からそんなことも学んだのでした。
ビジネス現場では、癖が相手に悪印象を残し、コミュニケーションの妨げになることがよくあります。面接の際、明るい印象、活発さ、清潔感、テキパキとした話し方などを応募者に求めるのと同じように、面接官の態度、印象もしっかり見られています。
時には俳優のように、自分がどう見られているのか確認する作業が面接官には必要なのかもしれません。ロープレで指摘してもらう、ビデオを撮って見てみる…。定期的なメンテナンスは、事故を防ぐための最も有効な手段となります。
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