若手のキャリア採用を上手く行う方法とは

条件を狭めすぎるとせっかくの宝石を逃してしまいます。
同業界・同業種に拘らず、原石の可能性に期待することが大事です。

若手をキャリア採用で補いたい

宝石を手に入れるために、まずたくさんの原石を見る

たとえば「樹脂の専門知識があり英語もできる若手営業を採用しよう」…。このように特定された非常に専門的な分野で仕事をしている人が、果たして世の中にはどのくらいいるのでしょうか。しかも若手で英語も堪能となれば、そう沢山はいないでしょうし、そうした方は在職企業の第一線で活躍していて、そう簡単には動かないはず。

実は育てれば伸びる原石なのに、「少しでも足りない部分があれば採用しない」と限定してしまい、企業側が大きなチャンスを逃してしまう事例は、たいへん多く見受けられます。社会経験があるといっても、若手はまだまだノウハウもスキルもそんなには身についていません。まだ原石といえる状態であり、最初から美しく光を放つ宝石である事を期待すると、結局は一方的な片思いのまま終わってしまう事も多いのです。

異業種で未経験者にも可能性を拡げる

ある大手外資系製薬メーカーの1社が、医薬品業界においてそれまでの慣習を打ち破るサプライズ採用を行いました。「MR（医薬情報担当）の未経験者採用」を開始したのです。“やる気”と“ガッツ”があれば大歓迎と、あらゆる若手に門戸を大きく開き100名単位で採用したこの事例は、医薬品業界全体の採用を変えるビッグウェーブを巻き起こしました。

実際、意欲ある若手が様々な業界から転身して入社し、教育によって戦力になっていったため、後に続く企業は次々と出てきました。そして、日系の大手製薬メーカーも未経験者採用を実施するようになり、過去にはあり得なかった未経験者採用が業界では“当たり前のこと”となったのです。当然、求人誌やインターネット、ビジネス誌等での露出度も増えたため、業界従事者しか知らなかった“MR”という専門的な言葉や仕事内容を多くの若手が理解し、転職先として具体的にイメージ出来るようにもなりました。

『和食を食べたい日に美味しいお店がいっぱいで入れなかったら、妥協するのではなく最高に美味しい中華料理に目を向けよう』。同業・同職種・ピッタリのスキルの人物がいなかったら、他業界のトップにも目を向けてみる事が得策です。若くポテンシャルがある人物なら、磨けば必ず光るから…。そんな先見性が、この企業はどこよりも優れていたのではないでしょうか。

若手採用の秘訣は、原石に期待をかけてみること

採用するにあたって最低限必要なものは何でしょうか。若手であれば、新卒採用の延長戦。将来伸びる素養に期待して、原石である事を予め知った上で採用活動をすると、随分効果が違ってきます。となると、原石を見ぬまま切り捨ててしまうのは勿体無い。経験内容といったスペック条件を出来るだけ下げ、沢山の他業界・他職種にも目を向け、沢山の原石の中から選ぶという作業が必要なのではないでしょうか。

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