野村證券は2013年11月29日、2014年4月から若手社員の給与水準を引き上げると発表した。対象社員の月給は平均で約2%昇給となる。
若手を中心とする「初級職」「業務職」の合計約3,800人の社員のほか、障がい者雇用への取り組み強化の一環として、主に障がい者が従事する「一般事務補助」の約180人も対象とする。対象社員は野村證券の全社員(9月末時点)1万3,236名の約3割に相当する。引き上げ額は「初級職」が1万円、「業務職」と「一般事務補助」が5,000円となる。(参考:人事マネジメント 2014年1月号)
同社は株式市場の活況により、2013年9月までの中間決算で、2012年の同時期の22倍にのぼる好業績だった。浮き沈みの激しい証券業界で、一時金ではなく、固定人件費アップにつながる基本給を上げたことは称賛に値するだろう。
同社は、育児休暇からのスムーズな職場復帰を妨げる一つの要因である「受け入れ保育所がなかなか決まらない」という問題を解決するため、保育所決定に向けた活動をサポートする「保活コンシェルジュサービス」を12月より導入した。サービス内容は、仕事と育児の両立支援サービスを展開するマザーネットと共同で検討し、導入後の運営はマザーネットに委託する。保育所決定に要する育児休暇中の社員の負担を軽減し、保育所決定の確度を上げることで、円滑に職場復帰できる体制を整えたいという考えだ。
サービスの概要は、妊娠期は「ハンドブックによる情報提供」「個々人の事情に応じた保育所選びのアドバイス、保活ノウハウの伝授、居住地・勤務地近隣の保育所関連情報の提供(口コミ含む)」「電話によるカウンセリング」など、育児休業中は「復帰応援講座の実施」「保育所への入所活動状況の確認、スムーズに職場復帰するための事前準備などの情報を提供」などがあるという。(参考:月刊人事労務 2014年1月号)
今後は、昨今流行りの「社内保育所」も視野に入れてはどうだろう。民間主導で保育所が増え、余剰設備を社外にも貸し出すような、日本型互助式保育インフラが生まれたらおもしろい。
イタリア料理店「カプリチョーザ」を運営するWDIは2014年4月から、シェフ(料理長)の技術を対象にした検定制度を取り入れる。数日間泊まり込んで本社の指導員から実技の講習を受けた後、店舗でパスタなどの調理技術を見る。カプリチョーザの店舗数は115で、シェフは各店に1人ずついる。多店舗展開の強みを生かすため、新制度で各店の味の水準を一定にするのを目指す。(参考:日本経済新聞 2014.2.11)
店名の由来は、イタリア語で「気まぐれ」を意味する「capricciosa」から。しかし、実際に気まぐれで料理方法や味付けを変えてしまうわけにはいかない。全ての店で同じ品質のサービス提供が徹底されることは、顧客にはありがたい。
スーパー銭湯のFC展開を行っている極楽湯では、アルバイトを対象にした新たな評価制度を導入した。アルバイトのやる気を引き出して離職率の低下につなげるのがねらい。身だしなみなど、いくつかの項目で一人ひとりを評価する。高い評価を得たアルバイトは時給を上げるだけでなく、正社員に昇格させる。(参考:賃金事情 No.2664)
極楽湯といえば、以前、HRmics誌13号の特集「本当のグローバル戦略、グローバル展開」において中国進出の事業戦略を取材させていただいた。当時のインタビューでは中国人留学生をアルバイトとして優先的に採用し、その中から本人も希望し、会社側も太鼓判を押すような人材を上海の子会社で採用するという採用手法で優秀な人材を獲得しているとのことだったが、働きぶりを知っている前提での社員登用はお互いにとってメリットが大きい。
日本の映画、演劇の制作、興行、配給を手掛ける松竹は、2013年11月2日に、京都の松竹撮影所内に時代劇に特化した俳優の養成学校を開校する。時代劇俳優の高齢化が深刻になっているため、後継者の育成を急ぐためのもの。学校では現役の映画監督や殺陣師を講師に招き、演技や殺陣の指導を行う。(参考:賃金事情 No.2662)
歌舞伎や狂言、能楽などのように、時代劇も後世に継がれるべき日本の伝統芸能となる日がいつか訪れるかもしれない。
ラーメン店「日高屋」を運営する同社は、パート・アルバイトを対象にした賞与制度を新設した。製造業や建設業で求人が増加するなか、外食業界では人材が集まりにくくなっており、待遇改善で人手を確保するねらい。賞与は年2回支給し、支給額は勤務時間や業務の習熟度に応じて1回あたり最大10万円超となる。支給は2014年1月からで、以降は1月と7月の年2回支給となる。(参考:賃金事情 No.2662)
しかし、賞与の支給額が予想以上に大きくなると「所得税103万の壁」もしくは「社会保険130万の壁」を超えて手取りに影響してしまう可能性もあるため、11月、12月の年末にかけてのシフト調整には苦労することになるのかも……。
10月から、個人向け営業職の希望者を70歳まで継続雇用する制度を導入する。同グループでは2006年に継続雇用制度を導入し、定年時の7割程度の基本給と営業成績と連動した賞与による給与体系を運用しているが、70歳以降も運用は変わらず、他の世代の給与抑制なども行わない。(参考:賃金事情 No.2662)
65歳までの雇用延長を打ち出す企業は相次いでいるが、70歳まで継続雇用する例は多くない。資産運用を検討する高齢者層の顧客にとっては、同世代からのアドバイスは心強く、支持も厚いのだろう。HRmics誌の連載「ニュースその後」でもこの制度の成果について取り上げてみたい。
三和シヤッター工業は2014年4月から、60歳の定年後も継続雇用する人材の給与待遇を見直す。基本給ベースを一律で引き上げるとともに、一部の従業員を管理職に登用。労働意欲の高い従業員を営業や製造といった現場に継続して配置する。建設業界ではバブル崩壊後に労働人口が減少していることから、新制度の導入で労働力を確保するほか、若手従業員への技能伝承など人材育成にもつなげる。(参考:日刊工業新聞 2014.2.21)
ここまで来ると、再雇用制度ではなく、本格的な定年延長、そしてその先には、定年廃止が見えてくる。世界の趨勢に日本企業も追いつき始めたといえそうだ。
三菱重工業は三菱重工横浜ビル(横浜市)内に社員の子ども向け保育施設を開設した。医療や介護、教育事業を手掛けるニチイ学館が開設した「サン・マリーナ・キッズ」の定員枠30人を借り切った。社員が仕事と育児を両立しやすい環境を整備する。三菱重工の社内保育施設は2010年に長崎造船所(長崎市)内に開設して以来2例目。
保育対象は同社とグループ会社の社員の子どもで0~3歳まで。保育時間は7~19時で、20時までの延長保育も用意する。食事は施設内で調理して提供する。保育だけでなく教育にも力を入れる。(参考:日経産業新聞 2014.2.10)
オフィスビル内ならば送り迎えの時間もかからないし、もしも体調を崩して保育所から連絡があってもすぐに駆けつけられる。仕事と育児を両立する女性にとって、この上ない職場環境だろう。
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