採用力を高める面接－応募者の意欲を左右する面接環境

最小のコミュニケーションで、安心して面接に来てもらいましょう。

企業と応募者の重要な接点である面接は、「人材を見極める」だけでなく、優秀な人材を確実に採用に導く為の、非常に重要な役割を果たす場面です。こちらで改めて、変わりゆく面接事情、そして採用力を高める面接手法について考えてみたいと思います。今回も、弊社において「面接力向上セミナー」講師などを勤め、モーニング誌（講談社発行）連載中の『エンゼルバンク』にて『カリスマ転職代理人による転職模擬面接』コーナーの取材対応もしているアドバイザーへのインタビューを交えてお送りします。※2008/04/24の記事です。

◆取材協力-------------------------

細井智彦
キャリアアドバイザー、マネージャーを経て、現在は2万人以上が受講した「面接力向上セミナー」や、「企業向け面接セミナー」をはじめとするサービスの企画・講師を努める。近著『転職面接必勝法（講談社）』。

及部和香
大手広告代理店の営業を経てリクルートエージェント入社。キャリアアドバイザーを経験後、現在はキャリアアドバイザー支援部門においてサービス改善提案を行う。
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入社の意思決定をする為に面接に臨む応募者

会社がどんな配慮で応募者を迎えるかが重要

いわゆるランドマーク的なオフィスビルに入っているから採用に有利、という事では決してなく、会社がどんな配慮で応募者を迎えるかが重要という事です。当たり前ですが、例えば受付に行ったものの、自分の来社予定が全く伝わっていないというのも、応募者を落胆させる最悪の対応の一つです。逆に名前を告げたと同時に「○○様ですね、お待ちしておりました」と返答があれば、応募者の会社に対する印象は一気に◎になる事でしょう。

『通された会議室のテーブルに消しゴムかすが残っていたり、タバコの灰が残っていたり。そういう一見小さな事が、応募者には見過ごせない事だったりするものです。単に汚れているという事でなく、自分が歓迎されていると感じられないからです。重要な商談で来客がある時、企業は決して汚れた会議室には通さないはず。面接にもそのくらいの配慮が欲しいですね。』

『また社内にいる人間には普通の事が、外部の人間には未知である、という事も忘れてはいけないと思います。面接会場を社内の奥まった所に設け、そこに事前に渡した地図を元に来て下さいという会社がありました。社外の人間にはまるでオリエンテーリング探検状態で、運良く会場に辿りついたとしても、面接官を待っている間、不安で不安で仕方なかったというケースもあります。人事の方がビル入り口で出迎えて部屋まで案内するとか、面接会場をもっと分かりやすい場所に変更するとか。やはり自分が応募者の立場になってみる事が大切なんだと思います。』

面接官が自分の顔を見ない、腕組みして目を閉じたままだった、メモに視線を落としてバツの字を書いていた、応募書類を事前に読み込んでいないようだった…。
こうした“入社を辞退した理由”は、リクルートエージェントが行う転職実態調査においても毎回上位にランクされる面接官の対応です。

何気なくやってしまっている、習慣でつい…。それこそが取り返しのつかない決定的な打撃となる事も少なくありません。人事担当者の皆様が中心となって、改善のためのレジュメを作る、あるいは勉強会を行うなども採用力アップには効果的と考えます。ぜひトライしてみてください。

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