電機メーカーのA社は、転職希望者が応募してから内定を受けるまでに、平均で約2カ月の時間を必要とするがために、これまでに複数の内定辞退を受けた経験を持ちます。なぜこれほどまでに時間がかかってしまうかというと、採用の決済権を持つ役員が留守がちだから。「出張で国内・海外を忙しく飛び回っている役員を、どこまでも追いかけて返事を迫るわけにはいかないでしょ。」と、人事は半ば諦め顔なのでした。
現場からは早く人を入れてくれと言われ、指示を仰ぎたい上司はいない。もちろん人事担当者は、はじめはこの環境をなんとかしなければいけないと焦りました。しかし、自分ひとりの力ではどうにもならないと感じるようになってからは、「これがウチのスタイル」と諦めるようになった、というのです。
しかし、年間100名単位のキャリア採用を行うA社に、リクルートエージェントからも複数の人材を紹介します。そして“できる人材”はA社だけでなくB社、C社からも内定を得ることができる。当然、レスポンスが遅く、自分をどう思っているかもわからない会社の返事を待っていられない人物は、A社の最終の結果を聞くことなくライバルの他社に転職を決めることとなります。
そこで、人事として採用目標もあるであろうA社の人事担当者に、リクルートエージェント側からはある事を提案してみることにしました。提案というよりもお願いに近い“ある事”とは、以下の4つを実践してもらうことでした。
(1)なぜ選考が遅れているか
(2)その回答はいつ出るのか
(3)A社が応募者を評価しているポイントはココ
(4)「待たせてしまっていて申し訳ございません」というお詫び
この4つを、定期的に応募者に連絡することでした。
少々、人事の業務は増えるものの、途中で辞退されてまた新しい応募者に同じ作業を繰り返すよりは効率的。リクルートエージェントは、A社の人事担当としっかりと約束を交わし、以降、この4つを守っていただいています。
これによって、以前はなぜ選考結果が出ないのかヤキモキするしかなかった応募者は、選考が遅い理由が分かり自分も評価されていると知ることができるため、在籍企業を辞めずにじっくりと返事待つというパターンに動きが変わってきました。応募者が“期間限定の相思相愛の遠距離恋愛だ”とわかり、落ち着いて選考結果を待てるようになったのです。
仕事が忙しくて連絡ができなかった。急なトラブルで待ち合わせの時間に間に合わなかった・・・。仕事も恋愛も信頼関係が揺らいでいくのは同じ時。人は裏切られたと感じると、一気に気持が引いていくものです。それを知っているのですから、プラスに向くよう行動しない手はありません。
「ぜひ一緒に頑張って欲しい」
2回目の面接終了後に、社長から握手を求められたHさんは、7年の営業キャリアを持つ人物。Hさんが働く業界では申込書、契約書といった類いの書類が動くことは稀で、殆どの場合が口約束で仕事がスタートするといいます。そんな環境に慣れているHさん。社長自らが握手を求め、ぜひ一緒にと言われたからには“入社決定”と思わないわけはありません。
そして翌日。「会社の事情で、今回は採用を見送らせていただきます」と人事担当から連絡があり、Hさんは大混乱してしまうのでした。以降、Hさんは、オファーレターを受け取るまで信じないという態度に一変。そして営業現場に契約書を交わすルールを浸透させようと、在籍企業の上司に提案したといいます。何があったのか一切知らないHさんの同僚は、その変貌ぶりにただ首を傾げるしかなかったのでした。
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