精密機器のソフトウェア開発を行うA社は、都心から電車で1時間半ほどの郊外に本社を構える、従業員28名の少数精鋭の技術者集団。従業員のほとんどは、エンジニアである社長の持つ技術力と人柄という魅力に惹きつけられて入社してきた人ばかりで、まさにA社の最大の特徴は、誠実さがにじみ出る木訥な社長の存在なのでした。
しかしながらA社は、多くのエンジニアが求める通勤圏から少々ズレていること、世間でいう零細企業であることなどがネックとなり、それほどラクに人材採用ができる会社というわけでもありません。従業員や知合いの紹介で応募してくる人は別にして、通常の求人活動を行うにあたっては一工夫必要であることは、社長をはじめ従業員も、重々承知しているほどでした。
そこでA社が心掛けたことは、“面接に来てくれた人は絶対に逃さない”ということでした。具体的には、初回面接は面接する場よりも「企業PR」の場と捉え、隠れた会社の魅力を知ってもらうことに専念したのでした。もちろん、会社の一番のウリである社長が初回から同席。“エンジニアとして”A社が持つ技術や今後の夢を語るのでした。
この、他社とは一風変わった初回面接は結構インパクトがあるようで、社長の話に耳を傾けた後、応募者は何かしらの質問をぶつけてくるといいます。質問してくるということはA社に興味を持ったという証拠。そうした応募者は、ほとんどが強い応募の意志を固め、二次面接の知らせを待つのだといいます。
「初回面接を企業PRの場にしよう」とアイデアを出したのは、会社設立当初から二人三脚で会社を支えてきた総務部長。「普通は会わないで終わってしまうかもしれない社長に一番最初に会うなんてウチらしい」「チャンスは二度ないかもしれない」、こんな思いが、企業PRのスタイルを確立させたといいます。
みんさんの会社では、どんな“候補者を逃さない”工夫を取り入れていますか? 「何をすればいいのかがわからないよ」という場合は、一度落ち着いて座り直し、絡まった糸を解くように採用活動がどの段階で滞ってしまうのかリサーチしてみましょう。原因がありありと浮かびあがってくるかもしれません。
マーケティングに手間と時間をかけた商品が売れずに、見切り発車で売り出した商品が爆発的なヒットを生む、というのは、消費財の世界には起こるといいます。
金融系のE社に応募したTさんは、一時たりとも笑顔を絶やさない面接官を前にかなりの不自然さを感じ、結局、その会社の内定を辞退した人物。厳しい質問を投げかけているのに顔は笑顔…。Tさんは背中がゾクゾクしたと言います。企業側とすれば、Tさんは応募者でもあるし顧客でもあるわけだから、変な印象は残したくない。そんな配慮から、笑顔を絶やさない努力をしていたのですが…。会社の思惑と個人の思惑は、必ずしも一致しないというのも、よくある話なのです。
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