東京と神奈川のほとんど県境あたりに本社、および工場を置くA社は、なかなか応募したいと手を上げてくれる人が少なく、採用には常に苦労がつきまとっていました。その理由はカンタン。最寄のローカル線の駅からでも徒歩では通いきれない立地で、会社の周りにはなんの商業・娯楽施設もない。街灯もないため夜は真っ暗に静まりかえり、特に女性の秘書を採用したい今回は、頭を抱えるしかありませんでした。
しかし、入社間もないある男性社員の提案で、状況は好転します。
「だったら、昼間の明るいうちに面接に来てもらったらどうですか?」
この、外部からすればごく当たり前の彼の発言により、A社は定例だった夜の面接を午後の早い時間に切り換えました。
確かに不便な場所だけれど、太陽の元に見る風景はゆったりとしていて美しい。自然に囲まれた“癒し”空間で仕事ができる会社として、場合によっては自慢の種にもなるかもしれない環境ともいえます。「家が近い」「逆通勤で道が空いていてラク」「大都会から引越してきてもいい」…、そんな発想をもった人には、逆にアピール力のある会社になるかもしれないのでした。
A社の人事担当者は、早速、面接を行う社長、役員の昼間のスケジュールを確保。それに加えて事前に「面接当日はいつものジャンパー(制服になっている作業着)は脱いでジャケットに着替えてください」「鏡を見てスッキリした服装をしてきてください」と伝えることにしました。
女性社員の場合、社内の環境を気にする方も多いので働いている人、空間からも“整った環境”をアピールしたいところ。応募者が社内に一歩足を踏み入れた途端に、「駅から会社までの環境と違うなぁ」「外観と違って結構ステキな会社だな…」と思われる演出ができれば、第一段階はクリアした状態になれるのです。
そんな改善の結果、無事に女性秘書の採用に成功したA社は、その後、在職中で夜しか来られない人以外は、明るい時間に面接に来てもらうように慣例を変えていきました。
このように応募者へ配慮と目に見える態度で会社のイメージをよくする方法をA社は知ることとなりました。たとえば、いつも着ている作業着のジャンパーは、面接に臨む応募者にとって「背広を着ないのは歓迎されていないから?」と誤解を与えることもあります。「会社の常識」はまず一度疑ってみるもの。それが採用したい人を逃さない、一つのポイントになりそうです。
都会のど真ん中で競争社会を生き抜き、ストレスをどっぷりと溜め込んだHさんは、「どこかでのんびり暮らしたい」と、転職活動をはじめました。思いきって地方へ。そう決めたはずのHさんでしたが、面接に臨むと仕事環境やそこで働く人々があまりにもおっとりし過ぎて見え、転職を決断できないでいたのでした。そんな折り、同僚の一人から突然の転職するという報告を聞いたHさん。さらに、ライバルであった彼が東北に転居し農業をすると聞いて「先を越された!」とまたストレスを感じてしまいました。負けたくない・・・。急いで面接に行った企業に転職を決めたHさんでしたが、やはり動機が不純なためか、その会社に馴染めず早々と退職することとなります。
人は自らの強い決意がなければ、いつまでたっても「隣が気になる人」からは脱皮できないようです・・・。
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