「採用は現場に任せるよ」と社員にすべてを託し、面接には一切タッチしない社長が世の中には存在します。現場に権限を委譲することで、より働きやすい環境が作れる…。そんな経営者の気持ちが全面に出ているパターンです。
また、スタートアップの会社が創業メンバーを募集するという場合などは、社長自らが一次面接から面接官を務めるというケースもめずらしくありません。逆に最終面接に形式として社長が顔を見せる、そんな儀式的な顔合わせを定例とする企業もあります。実にいろいろです。
さて、従業員1000名、東証一部上場のある会社では、必ず社長が最終面接に登場し、応募者に会社の現状と今後の事業戦略を伝えるのが恒例となっています。いわゆる大企業の場合、社長が登場するというのはまれなケースのため、応募者も「この人があのビジネス誌で見た社長かぁ」といった具合に、緊張しながらも光栄に思うのだといいます。
そしてその社長は、ここ数年業績がよくなかったこと、しかし今後の事業計画という“夢”が明確なこと、そのために競合他社に負けない優秀な人物が必要だということを、必ず応募者の目を見ながら直接語りかけるといいます。本当は経営者として隠しておきたいようなマイナスの情報も包み隠さず伝えるため、却って応募者が信頼感をグッと強めるという具合に、その情報がプラスに働くようです。
「転職というのは、単に一つの職業に就くというだけでなく、夢の実現に向けて力を合わせるメンバーの一員となることだから…」。それがこの会社の考え方。「どんな夢の実現に参加できるのか」がわかる応募者は、その会社で自立した自分をイメージします。だから、業績のことなどは承知の上で、人によっては自分が仲間に加わって業績アップに貢献する!などと、その会社への入社を意志を固めていきます。
人事のみなさん。最近、面接後の辞退が増えているなどの気になることがあれば、社長の登場や、社長からの生の情報提供・熱烈なオファーを検討してみてはいかがでしょうか? 応募者の立場になれば、やはり会社のトップから“夢”が聞けたら説得力が増します。結果、入社意欲を高めることができ、やる気のある応募者を採用できるのです。
第一希望の会社:A社の最終面接で社長の話を聞いたHさんは、すっかり社長の毒気にあてられてしまいました。業界でも有名な「カリスマ社長」は、自らの経営ビジョンと夢をマシンガンのように一方的に話しました。Hさんの面接ということでしたが、Hさんに質問する隙すら与えません。結局、一言もしゃべれないまま、HさんはA社を後にしました。
その後、A社の人事担当者から、「社長もHさんのお人柄を高く評価しています。是非ともいっしょに働きましょう」と連絡が入りました。最終的にはA社の内定を承諾したHさんでしたが、ふと頭の中を疑念がよぎったのも事実です。「高く評価、て言ったって、オレ何も話をしてないんだけどなぁ…」。若い応募者に話をしたがる経営者は多くいます。であれば、「社長の経営理念を聞く場です」と人事も割り切った方がすっきりするのかもしれません。
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