K社というある不思議な会社があります。その会社は、求人案件を転職希望者に紹介した段階では、深い興味を示す人がそれほど多くはありません。
しかし、一度面接に行くと、会社に好印象を受けて帰ってくるのです。
なかには「第一志望に変えてください。」「あの会社にぜひ入りたい!」。そしてその後、二次、三次の選考過程で不採用になっても、みんなが「不合格になっちゃったけどいい会社だったなぁ」と良い印象を持ち続けます。
一般的な知名度もブランド力もどとらかといえば控えめ(すみません)なK社の人事の方に、応募者は会った段階からグッと引き込まれてしまいます。「何をしているのですか?」「なにかコツでもあるのですか?」という問いに、K社の人事担当者は「すべての人々がいつかはお客様と考え、ファンを作ろうとしているだけです」と答えてくださいました。
さて、K社の考え方、対応の仕方には、採用活動を成功させる数多くのヒントが潜んでいるようです。今回、K社から伺った具体的な対応を、この場で少しだけご紹介しようと思います。
■K社人事担当のコメント
IT系のセールスエンジニアとして転職活動をしていたNさんが、第一希望のA社の面接に赴いたときのこと。応接室に現れた人事責任者を一目見て、「あっ」と思いました。実はNさん、転職活動をするのはこれが2度目でした。前回の折、内定までこぎつけながら、Nさん自身がいまいち決断できずに一方的に内定をソデにした会社の人事責任者と同一人物が目の前に座っていたのです。先方は知ってか知らずか、淡々と面接を進めます。負い目を感じていたNさんは面接に集中できず、結果的に不採用となりました。
A社に転職した(と思われる)人事責任者が、昔の対応を理由にKさんを不採用にしたのかどうか、わかりません。ただ、人と人はどこかでつながっているもの。普段から「袖触れ合うも他生の縁」を意識したいところです。
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