現場面接の実態アンケートから探る採用ノウハウ その5

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中途採用に特化した面接トレーニングメソドロジーの開発

企業の人事担当者様にご協力いただいた"現場面接の実態アンケート"をもとに、エージェントから提案できることを発信してきたシリーズ企画。今回はその最終回です。

第1話において、面接の機会損失をなくす専門家として活動しているエージェントのインタビュースキル開発コンサルタント・細井智彦より、「既存の採用面接のノウハウといわれているものが、必ずしも今の現場面接にはフィットしていない可能性も感じ、これからみなさんと共に考えていかなければならない事も多いと実感している」との考察を発信させていただきました。今回は締めくくりとして、今後掘り下げていかなければならないと思っているこの問題についてお話したいと思います。
現状では「面接トレーニングメソドロジーとはこういうものだ」と断定できるものはなく「一つの考え方」をお伝えするのに留まると思います。ご了承いただき、しかしだからこそみなさまからも忌憚ないご意見をいただくことで、今後最適な面接を実現する手法を開発、そして共有できれば嬉しいと考えています。


編集 現場面接の現状について感じていることは?

細井 面接下手でも中身のある応募者を企業が落としていないか? ということをよく考えるんです。明るくて雄弁、受け答えが上手で話をしていて心地よい印象の人物だけが面接に通り、その反対の恥ずかしがり家でアイコンタクトが苦手な人物は落としてしまう。極端に言ってしまうと「明るいけど中身がない人」と「コミュニケーションは下手だけれど人としてすごい底力をもっている人」。ここをきちんと企業が判断していただいているかに不安を感じています。

私は企業と応募者の中立的立場に立って 、面接の機会損失をなくす専門家として活動していますので、スキルはあるけれども一般的に面接ウケしない"埋もれている人物"も企業にきちんと見て欲しいと思っています。ただそのためには曖昧な面接ではダメで、何か確実なメソドロジーのようなものが必要だとも思っています。たとえば、共通認識としてある漠然とした人物像を言語化するとか…。どうしたらそれができるのかはとても難しく、まだ答えは見つかっていませんが。

編集 「面接の機会損失をなくす」ということですが、面接をどんな場だと考えている?

細井 お互いの接点を見つける場だと思っています。企業は「応募者が何をしたいのか、ウチの会社でそれができるか」を確認し、応募者は「この会社でやりたいことを企業側にきちんと理解してもらう」努力をする。面接となると、どうしても面接官の肩に力が入り過ぎるところがあります。「見極めてやろう」という気持ちになってしまうんですね。商談のように、お互いがお互いの提案を聞く場だと考えれば、非常に有意義で、しかも機会損失をなくすことにもつながると思っています。

私は求職者と接するキャリアアドバイザーも経験しています。一見、冴えない印象の人でも、じっくり話をしてみると実に誠実で素晴らしいキャリアをお持ちの場合があります。同じ目的に向かっているお見合いだと思って、角度を変えたり、多面的に人物を見ていくと第一印象を覆す魅力を持つ方がたくさんいるものなのです。企業のみなさんが「面接は3分で決まる」なんて風潮に影響されず、応募者の真の姿を見てくださることに期待しています。

編集 面接を「提案を聞く場」だとした時、企業側が注意すべき事は?

細井 キャリア採用の場合、今すぐ戦力として活躍して欲しいと思うのは当然でしょうが、3年後、5年後にもっと会社の成長につながる活躍をして欲しいとも考えますよね。これは、応募者が「これまでにやってきたこと」を聞いてみるとある程度推測できるんです。新卒採用の時、サークル活動やアルバイトの経験について聞くことがありますよね。それは学生がどんな創意工夫をしてきたか、それができる人物かを判断するのに役立つからです。たとえば、コーヒーチェーンでのアルバイト経験があったとします。入社した時と1年後では、コーヒーの入れ方に変化があるはずなんです。ここでの成長のプロセスを聞き、本人がどう創意工夫してきたか事実を繰り返し確かめる方法です。"進化の記録"を聞くと、その人の伸びる力、自社に入社した3年後の活躍がイメージできるようになりませんか? キャリア採用にも同じことを応用できると思います。

私はこれから面接に臨む応募者にも、「自分が進化してきた証明をしておいで」と言います。「今できること」だけで勝負しようと思うと、乗り越えられない壁もありますよね。ましてや「御社の将来性が」とか「マネージャーを目指します」とか漠然とした事を言うのではなんの説得力もない。自分はこんな仕事をして成長してきたという事実、こんなことができるからその会社で働きたいという事実を伝えるのが面接なんだよ、と。

編集 「面接力向上セミナー」の講師では、そのことを強く言っている?

応募者に「面接力向上セミナー」をやっていることは、企業側にもオープンにしたいと思っています。なぜなら、面接に受かるテクニックを講議しているわけではないからです。企業側が求める人物像を言語化するのが難しいように、応募者も自分のアピールを言語化するのは非常に難しい。自分のキャリアを改めて考える機会なんてそうそうないですからね。前述したことと同様「面接とは事実を元に企業に自分を提案する場なんだ」ということを知ってもらうのが、私が講師を勤めている「面接力向上セミナー」です。これに参加したからといってご本人のキャリアが変わるわけではないのに、受講後は多くの方が自分らしい面接ができるようになったと、後日、感想を寄せてくださっています。

編集 「中途採用に特化した面接トレーニングメソドロジーの開発が必要」と、かなり難しいテーマを発見してしまったわけですが、これからの取り組みは?

細井 今、常識と思ってしまっていることを「本当にそうか?」と問い直して、正しく人物を発掘できる方法を探っていこうと思っています。冒頭の話題でもありましたが、明るくなくちゃいけないのか? アイコンタクトができないといけないのか? 職歴が多いとダメなのか? それともいろいろな経験を積んでいて逆にいいのか? みなさん思うところはいろいろだと思います。
「3年後どんな人物になっていたいか?」の問いに答えられない応募者はダメなのか? 質問している本人はきちんとそれに答えられるんだろうか?…など理想と現実、曖昧さなど、いろんなことがゴチャゴチャになっています。

「今まで不採用にしていた人を採用しましょう」と言っているのではなく、機会損失をなくすためには「キャリアは合うけど覇気がない」などの曖昧な判断基準で合否を決めてしまうのは危険だと思っているのです。私自身、様々な問いかけをしながら、面接官が本質を理解して共有し、正しく人物を発掘していける方法をこれからも考えていくつもりです。現在の目標はそれを言語として落としていくことですが、ぜひ、みなさまからもご意見・ご指摘などをいただくことで、問題提議に対するより良い答え一緒に考えていければ、と思っています。

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