即戦力としての活躍を期待されて入社してくる場合が多い転職者たち。現場に配属された後は日々の業務に追われ、採用を担当した人事と関わる時間は、急激に少なくなっていくのが一般的なようです。
たとえば、転職してきた人物がエンジニアであれば、人事と技術に関する話がしにくいといったように、実務に関する接点が薄くなるのも大きな理由といえそうです。また、やはり部署内、直属の上司との関係構築の方が身近な問題となるため、人事部門とは疎遠にならざるを得ないという現実もあるようです。
しかも、人事制度・評価制度の構築・運用などでリーダーシップを取る人事には、「自分の弱味は知られたくない」というのが人間の性というもの。「仕事はどう?」と聞かれても「はい、なんとかやっています(笑)」程度の会話ですり抜けたいという転職者の思いもあるのではないでしょうか。
しかし、ある企業は、こんな方法を取り入れています。
入社後1カ月、3カ月、半年後に、「評価につながらない面談」を行うのです。ここで1対1で話したことは、直属の上司にも内緒にされます。会社の良い点・改善点などを聞き、情報として蓄積していきます。
他社経験もあるキャリア採用者の場合、一歩引いて会社を見ることができるため、人事がこの面談で出てくる「改善点」を新しい制度企画や、会社の風土作りに反映させていくことで、より社員が働きやすい会社、定着率のよい会社にするための材料になっているといいます。
「評価につながらない面談」というのがいかにも難しそうですが、キャリア入社者が正当な理由でスピード昇進できたり、人気のポジションに抜擢されたりということが実際に行われていれば、「言いにくいことを言ってもいい会社」ということになる、という具合です。
もちろん、キャリア入社者には多少のハンディがあります。同年代の社員と比べて社内に知り合いが少ないことをコミュニケーション不足と評価するのは間違いですし、仕事のやり方に慣れるまで、多少ゆるやかな視線で仕事ぶりを見守ることも大切でしょう。
成果主義・実力主義の時代だからこそ、人の本音を掴み、汲み取り、働きやすい風土にしている会社がとても魅力的に見えます。
頼りになる人事とは、制度の企画・導入力のある人事でしょうか?その制度企画の材料になる、社員の本音が集まってくる人間味のある人事だ、という意見もあります。みなさんは、どんなふうに考えますか?
中堅専門商社のA社に入社した営業マンのYさんは、入社1か月後のある日、人事部長から呼び出されました。「どうかな、Yさん。何か悩んでることはないかね?」コワモテの人事部長がやや不自然な作り笑いを浮かべながら、根掘り葉掘り営業部門の実態を聞いてきます。最初は入社者フォローという位置づけだったこの面談ですが、Yさんは面談の途中に気づきました。「これって、俺のためというよりも、人事の現場実情把握だよな…」
当たり障りのない会話でお茶を濁したYさんは、自分の席に戻るなり上司に呼ばれました。「お前、人事部長と面談があったようだけど、余計なことはしゃべらなかっただろうな?」
いったい、自分のことを考えてくれているのは誰なのか?Yさんは最近少しだけ疑心暗鬼になりつつあるようです。
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