採用トレンドを斬る-英語は企業公用語になるか 番外編

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眠れる獅子が「世界の工場」を経て「世界一の市場」になろうとしている今、日本経済の鍵を握るのは中国人の財布かもしれない。

主要駅の構内や大型量販店の店内に中国語が流れるようになったのにお気づきだろうか。つい最近、中国人の個人観光ビザ要件も大幅に緩和され、繁華街のいたるところに中国人の姿が見られるようになった。「改革・開放」政策から約30年。今回は番外編として、グローバル化といえば外せない中国市場攻略の妙手と、それを支援するサービスを紹介してみたい。※2010/08/05の記事です。
(HRmics副編集長 萩野)

採用と育成から始める中国進出

2008年の北京オリンピック、そして2010年の上海万博を境に、社会主義市場経済という、木に竹を接いだような体制に矛盾が高まり、一挙に分裂または崩壊の途を辿るだろう - ひと昔前、まことしやかに唱えられた中華悲観論などどこ吹く風と、順調に拡大し続ける中国経済。現在、中国のGDP値はドイツを抜き世界第3位だが、今年中にも日本を追い抜き、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国となることが確実視されている。

こうした中国経済の急成長ぶりを、日本にとっての脅威と見る向きも少なくないが、冷静に考えると間違っている。たとえば、日本の対中国(香港を含む)貿易収支は、財務省のHPで数字が確認できる、1996年から2009年までの14年間、2001年の1年間だけを除き、変わらず黒字を維持している。しかも最近になるにつれて、黒字額が拡大しているのだ。

これは何を意味しているかというと、経済の発展による内需拡大の恩恵を、日本企業が存分に受けているということだ。「中国=生産基地」という捉え方はもはや古く、かの地に販売のための現地法人を設立し、その数13億人という世界一の市場に打って出る日本企業が激増しているのが今なのだ。

採用されたのは日本人らしい中国人

ある流通業も、そうした流れに乗り遅れまいと、つい最近、進出を決めた。問題はやり方だった。国土は広大なうえに、地域によって文化もまったく違う、かの国。商習慣も日本とは異なる上に、名目上は社会主義国家である。日本でのやり方をそのまま移植してもうまく行く確率は限りなく低い。第一、そんな難しい仕事をやってのけられる人材を見つけるのも困難である。

こうした問題を克服するため、その企業は3段階にわたる戦略をとった。第1段階は、日本語に堪能な中国人を採用すること。国内の既存店に配属し、接客から店舗経営まで、すべてのノウハウを身につけさせるのが第2段階。最後の第3段階は、そうやって育て上げた人材を中国に送り込み、進出第一号店の責任者とする。

急がず逸らず、じっくり準備する。人材育成にどのくらいの期間を見込んでいるのかはわからないが、巧みなやり方であることは間違いない。

この手法は当の中国人にとっても大きなメリットがあるという。中国人にとって日本は憧れの先進国であり、「日本企業で働きたい」と願う中国人は多い。しかも現地で働くより賃金が高いから、将来のために貯金したり、故郷の家族へ送金したりすることもできる。さらに、何年後かには日本企業の幹部として中国に錦の旗を飾れるのだ。

応募者が30人を超すなか、幸運にも採用されたのは、日本企業での勤務経験のある中国人男性だった。弊社の営業担当によれば、「人の顔色やその場の空気を読むのがうまい、日本人より日本人らしい人」で、「いい人が採れた」と人事もホクホク顔だったという。

この企業は「日本人らしい中国人」を結果的に採用したが、それは 「日本の店舗で活躍でき、そのノウハウを身につけられる人」という前提があったからだった。中国に進出している現地企業では、逆に 「中国人とうまくやれる、中国人らしい中国人」が必要になるかもしれない。いずれにせよ、中国人採用においても、人材要件の明確な定義が必須となるのは言うまでもない。

これで万全 中国人採用

実は、この採用を支援したのが、「RGF HR Agent」という企業である。(営業展開地域:上海、北京、広州、シンセン、香港)

RGF(リクルート・グローバル・ファミリー)はリクルートの海外におけるサービスブランド名称である。その中においてRGF HR Agentは、海外での人材紹介サービスを提供している。弊社、リクルートエージェントとRGF HR Agentは業務提携しており、日本本社での採用、中国現地法人での採用の支援を両社連携しながら行っている。

RGF HR Agentは約5万名が登録する独自のデータベースを持っているが、その他、中国最大のジョブサイトである「51job」(リクルートが資本参画)の登録者2700万名分のデータベースも利用できるのが強みだ。

登録者は20代が79%と圧倒的に多く、日本語検定1級保持者が43%、2級が21%と、日本語堪能な人材が多い。経験職種も営業を筆頭に、ほぼ全職種にわたっている(下図)。ほとんどが中国人だが、中国在住の日本人の登録も強化しており、数百人規模まで拡大している。

経験職種比率の図

現在、リクルートエージェント内にグローバル事業を推進する組織を設置。RGF HR Agentのサービスの提案はもちろん、「中国へ進出を考えているが、採用はどのように行ったらよいのだろうか」「現地採用の給与相場を知りたい」などという相談にもこたえている。

また、現地の優秀な中国人を日本本社で採用したい!というリクエストにも、RGF HR Agentは人材の選定、説明会代行、企業との面接のアレンジまで対応可能だという。

経営の現地化は確実に進む

RGF HR Agentの担当者によれば、中国経済の伸びとともに順調に数を増やしてきた求人数が、2008年秋のリーマン・ショック時には、一時半減となったが、昨年から急激に増えており、この7月には対前年150%の伸びとなっている。

では、その中身はどうだろうか。増加している求人には3つの特徴がある。

ひとつめは経営管理クラスの募集。今まで駐在員が担っていたマネジメントの業務を中国人スタッフに移管。より現地化が進んできたといえるだろう。

ふたつめは営業・マーケティング職の募集。製造拠点という位置づけから、巨大な市場へと変貌した中国へ、攻めを強化していることのあらわれである。

そして、最後が技術者募集である。日本が誇る「品質管理」「製造技術」を持つ技術者は、日系企業の現地工場はもちろん、最近では中国の国営企業からも引く手あまたである。

クライアントは日系企業が9割で、中国で既に事業展開を果たしている企業が多い。

先述の流通業のように、進出をこれから考えるという企業も増えている。

中国事業の「人と組織」の分野でお困りの企業、これから進出を考えているが、肝心要の人材がいなくて……と頭を悩ませている企業があったら、ご活用をお考えになってはいかがだろうか。


----お問い合わせ先------------------------------------------------------

【現地法人での採用に関する場合】
RGF HR Agent
クライアント向け URL : http://rgf-hr.com/

【日本本社での中国ビジネス関するご相談】
リクルート 貴社担当営業までご連絡ください。

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