サービス・流通業界(1/3)「ビジネスモデルの誕生期」

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日用品産業は、少しチューニングするだけで、消費者の購買意欲を刺激できる新たなモデルを創れる可能性を秘めています。

採用や教育など人事関連の実務に追われて忙しい毎日の皆さまに、この連載を通して広くビジネス全体を知っていただく機会をご提供していきます。今回からサービス流通業界の動きをレポートします。HRmics編集長/海老原のレポートです。※2009/08/06の記事です。

どことなく生暖かい不況風

「これからしばらくの間、不況の主役になる」と指摘した日用品関連の産業。ありがたくもない“不況の主役”に指名された同業界だが、ただしその落ち込みは、それほど大きなものとはならない、ということを注意しておきたい。

これまで不況の主役だったハイテク輸出関連産業は、基本がモノを作るメーカーのため、不況に入ると、今までどおりのペースで製品を作っても、今までどおりのペースで売れずに、猛烈に製品在庫が積みあがる。不況の前半期では、その在庫を掃かせるために、生産を落とす。ただでさえ売れない中に、在庫一掃のための減産が重なるため、その生産調整は、強烈なものとなる。これがちょっと前までの危機的なまでに不況風を煽る結果となった。

対して日用品関連の産業は、基本が接客業のため、在庫が高々と積み上げられる、ということはない。在庫が多少増えれば仕入れをやめるだけのこと。つまり、不況だから売れない、という業績悪化はあるが、これに在庫調整がさらに加わるということはない。そこで、ハイテク産業ほどの危機的な不況にはならないのだ。これからしばらく、それほど寒くはない不況風が続いていく、といった趣になるだろう。

ちょっとのチューニングで新業態誕生

リクルートエージェントでこの領域に属するRA(リクルーティングアドバイザー)たちにヒアリングをしてみた。外食・サービス・コンビニ・GMS・各種カテゴリーキラー・専門店・日用品メーカー(飲料・衣料・食品・化粧品)など多岐にわたる産業がこの中にカテゴライズされる。結果はやはり想定どおりで、明確な底打ち感を持っているRAは皆無に近く、ほぼ異口同音に「これからが不況本番」といった回答が示された。ハイテク業界担当のRAからは、回復とまでは行かないが、大方底打ちを感じる、という答えが返ってきたのとは対照的だ。

ただし、実はここからがプロのウォッチャーの目利きなのである。

日用品産業は、簡単に言うと、大ロット・セルフ販売形式の大店舗流通業か、小ロット・対面型の零細企業の2形態がその大部分を占める。いずれもけっこう手垢のついたビジネスモデルであり、ちょっとチューニングを施して新たな業態を開発すると、「今までなかった産業」として、けっこう消費者の購買意欲を刺激して、新たな売上げ増が可能、という特徴がある。

そうした「ちょっとのチューニングによる新業態」は、不況にこそ作りやすい。なぜなら、不況期は、土地が安い・人が採りやすい・本業がヒマ、と業態開発のための3大メリットがあるからだ。過去にも不況期に業績を伸ばした「日用品業界の新産業」は数多い。

いくつか例を挙げてみよう。

2000年後半から2002年までのITバブル崩壊期。カクヤスやキンコーズ、オフィスデポなどの新業態が“突如”急成長を始めた。ビジネスモデルの誕生期いずれも、酒屋・文具屋と従来からある「日用品産業」なのだが、それを企業向けにチューニングを施しただけのこと。

98・99年の金融不況期なら、スターバックスやタリーズ、エクセルシオールなどが伸びた。こちらは、客単価を従来より100円程度上げたコーヒーショップに他ならない。これも、不況で一等地の店舗が空いた隙を狙って「好立地・高イメージ・高単価」のフラッグショップを確保できたことがその礎となっている。

92・93年のバブル崩壊期は、ヤマダ電機・コジマ電気をはじめとした家電量販店、トイザらスやアカチャン本舗に代表されるカテゴリーキラーなどが地歩を築いた時期に当たる。

既報どおり「不況が最後まで尾を引く」業界だけに、競合がヘトヘトになっている合間を縫って、元気な新業態が前列へと踊り出るチャンスがある、それが日用品産業なのだ。

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どうやら、今回もこの動きどおりになりそうな予感が高まっている。
今回の「ちょっとのチューニング」は既に、4つの道筋に集約されそうだ。
この中から、どの道筋が本命となるのか。
そして、その本命の道筋から、どんな新業態・新企業が生まれてくるのか。
次回、サービス流通業界(2/3)にて、その概要に迫りたい。

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