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面接に来た営業志望者の心を掴む方法とは

面接の場を最大限に利用することで、仕事の面白さを伝え、活躍イメージをつけられます。

営業は誰でも売れる営業でありたい。
その為、分かりにくい商品を敬遠し、競合にも強い知名度の高い会社を選択する傾向があります。しかし、採用上手な企業は、自社の商品や知名度に関係なく、他社に向きかけていた視線を真直ぐ自社に向けさせる力があるといいます。面接という "直接接触"を有効利用するという企業は、どのような工夫をしているのでしょうか。

日々、企業の採用課題解決に取り組んでいる、人材紹介サービスのリクルートエージェントのアドバイザーに、採用上手な企業の実例を聞いてみました。

多くの応募者が面接後に「入社したい第一希望の会社になりました」という会社があると聞きましたが？

仕事の面白さというか、仕事の広がりを応募者にイメージさせるのが上手な会社があります。ある商社なんですが、そこは1次面接から現場責任者と一緒に役員が参加し、様々な営業の活躍ぶりを紹介していきます。ユニークな仕組みと、働く事で得られる喜びがある事を応募者に伝えるためです。

例えばその会社では、営業のアイデアによって商品化が実現した場合、その商品名に発案者の名前を付ける事が出来ます。カタログにもしっかりと載ります。顧客にも印象が残るし、営業の名前も覚えてくれ、その商品を見ると顔も思い出してくれる…。一営業の発想を柔軟に取り入れた事から、その商品の売れ行きは好調となり、会社の業績アップも実現したという実例です。

その事例には続きがあります。発案者の名前を商品名にと提案して自ら実績を作った営業が、新規事業である食材の輸入部門の重要ポジションに抜擢されたのです。つまり、営業としてのキャリアパスについても事例を基に説明していくので、応募者は想像もしていなかった"働きがいのある環境"である事を知り「何か出来そうな会社だな。自分だったらどうしていこうか」と夢が膨らんでいくわけです。
そうした営業現場の紹介と同時に、役員が事業ビジョン、夢なんかも話すので応募者は増々活躍出来るイメージが広がっていき、入社を決意するといった具合です。

やろうとする人がどんどん仕事を任される会社の仕事環境をウリにするのですね？

そういうアクティブな環境に反応する応募者は、達成意欲が高い人が多いですね。ですから、商品も会社の知名度も高くないと思いながら面接に行ったにも関わらず「ここでならもっとスキルを磨いていけそう」「思いきった提案も出来そう」と入社に前向きになります。

ここまで応募者の気持ちを高められたら、「こんな環境で、あなただったらどんな事をしたいですか？」と今度は企業側が見極めをする番。そこで営業としての能力の高さを見る事が出来たら、採用を決定します。昨今の景況感が厳しくなっているからこそ、まずは応募者の気持ちを上手に高めた上で、現状から何が出来ますか？という質問を投げかける事によって、市況が厳しい状況をポジティブに捉え、自らの活躍に反映出来る人材を見極める事が出来ると思います。選考企業側の労力はかかりますが、結果的にキャリア採用者は会社の業績アップに繋がるような働きぶりを見せてくれるはずです。

面接とは、一般的には企業が応募者を選考する手段の一つと考えられています。企業から質問をし、それに答える応募者の反応で人物を見分けるという具合にです。ところが転職を考えている本人に会うチャンスは、セミナーなどを開催しない限りはこの面接が最初で最後。求人票や他者からの評判で伝わる以外の重要な会社の情報を、応募者に的確に伝えるチャンスの時なのです。

分かりにくい製品を噛み砕いて説明し、応用範囲の広さや営業の奥深さを伝えたり、意外なマーケットに可能性があり活躍の舞台が広がっていくイメージを提供したり。面接は応募者に働く自分の姿を具体的に描いてもらう絶好の機会にもなります。良い意味で“営業が上手い会社”は、認知度や製品に頼らずに採用を成功させているという一つの事例です。

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